事件概要:三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)とキリンホールディングスがAIを中核に据えた経営を試験的に導入し注目を集めています。SMFGでは、AIが中島達社長の発言を学習し、行員が疑似的に相談できる「AI-CEO」を2025年7月に導入。一方、キリンでは12名の「AI役員」が経営戦略会議で論点を提供する取り組みを開始しました。
本格活用後、キリンでは年間30回以上の会議でAIが使用される見込です。これらの取り組みは、AIを単なる代替手段ではなく、経営者の能力を拡張する「右腕」として活用し、日本企業の経営スタイルを変革するものとして注目されています。
今回の事例からは、AI活用による経営の進展が見えてきます。しかしながら、この試みには次のような問題点が潜在しているように思えます。
現状の説明と異常感:AIを経営に導入する動きは、日本で先進的な試みとして注目を浴びています。しかし、AIの提案が鵜呑みにされるリスクや、具体性に欠ける解釈による判断ミスを防ぐ体制は整備されているでしょうか。人間の意志決定を補佐するという前提を守りきれるかが鍵となります。
問題の本質:AIの意思決定機能には限界があります。特に、社会変化の文脈や倫理的判断が依然として人間に委ねられる以上、「補助機能」として性質を超えた誤用リスクがあります。また、AIに人間のリソースを大幅に依存することは、逆に企業の柔軟性や創造性を損ねる危険性があります。
解決策:
AIと人間との役割分担を明確化し、最終判断は必ず人間が行う体制を厳格に設ける。価値観の対比と結論:AI導入は企業の未来に新たな可能性をもたらしますが、過信は禁物です。技術の過度な信頼が自らの危機管理を損なう事態は避けるべきです。適切な管理と統制があってこそ、AIは本来の力を発揮する「右腕」として活躍できるのです。
ネットからのコメント
1、最近AIを仕事で使ってみたが、あれはデジタル化されたデータがある前提かつ大量なデータがないと意味がない。細かい希望を出せば、絞り込まれた少数のデータから結果が出てくるが、AIのコアとなるエンジンの質がよくなければ、全く的外れな回答を出してくる。標準的で当たり前のことを要約するには役立つが、肝心な部分となるとデータが少なく無理にメタデータやキャッシュまで読み込んでしまうのか、むしろ人間の直感の方が良かったりする。AIだけと偏るのではなく、人の手動要素も入れることがその企業らしさを作るのではと思う。
2、『空気を読まずに意見を言える』一つの存在としての利用を想定しているように思えた。日本の大企業の役員会、上部幹部会などで、自分の意見を主張して議論を闘わせるシーンがそうそうあるとは思えない。つまり、経営判断として正しいか正しくないかよりも、別の見方、別の視点、第三者的に意見発信が「場の空気」関係無く発信させられる点が興味深い。あとは役員会などが、これを使い続ける覚悟が出来ているかどうか・・・いや、難しいかもしれん。みんなそんなに素直じゃない。プライドが邪魔するはず。これがあれば東芝は潰れなかったかもしれない。いや無理か・・・自己保身する役員だから「所詮AIだろうが!」と一蹴しているかもしれんな。とまあ、妄想は広がる。
3、AIに独創性はないが、人間ではカバーし切れない会社の様々なデータをAIは全て学習することができる。過去に業績が上がった時の条件や下がった時の条件、市場の動向などを総合的に見て効果的な次の一手を考える材料を提示するのはAIは得意だったりするそれをうまく経営に取り入れる判断をするのが会社の責任者なのだから全く問題ない、やってみて良いか悪いか判断する柔軟性が会社には必要。
4、AIは上層部から仕事を奪われていくのだろうなと思っていたが、その片鱗がすでに見え始めて正直怖い。私の予想だと、今後、肉体労働、特に人の手先の器用さを持つ人間に価値が置かれる時代になると思われる。建築業、介護士、看護師、消防士などの現場業である。彼らはAIにより正当に評価をされ、今よりずっと給料が上がっていくのだと思う。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/83a5bf4a82a2ce95dbb08ef5beb9405959f8f403,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]