2003年、滋賀県の病院で看護助手をしていた西山美香さん(当時23歳)は、入院患者を殺害した容疑で2004年に逮捕され、懲役12年の有罪判決を受け服役しました。しかし、再審の結果、事件そのものが存在しなかったとして2019年に無罪が確定。大津地裁は2025年7月、取り調べの違法性を認定し、警察が虚偽の自白を誘導し、不利な証拠を検察に送らなかったと断じました。
県警は控訴を断念し、8月7日午前11時、西山さんに対し初の直接謝罪を行う予定です。
一人の女性が、存在しなかった「事件」によって、人生の貴重な12年を奪われた。しかも、捜査当局は彼女を「自発的に自白したように見せかけ」、都合の悪い供述を隠し、証拠の取捨選択すら行った。これは誤認逮捕ではなく、制度ぐるみの人権侵害に他ならない。
この事件の本質は、警察・検察による「有罪ありき」の構造的体質だ。自白偏重の取り調べ、可視化の不徹底、検証なき捜査記録の扱い、どれも制度の根幹に関わる問題である。無罪判決後もなお「当時の捜査に問題はなかった」と言い張る姿勢こそ、この体質の象徴だ。
今後、①全取調べの完全可視化、②捜査資料の全件証拠開示義務化、③誤判時の国家賠償制度の迅速化を制度として整備する必要がある。
いずれもすぐに実行可能で、透明性を高める鍵となる。
「疑わしきは罰せず」は法の根本原則だ。だが、今の司法は「疑いがあれば追い詰めろ」になっていないか? 今回の謝罪は幕引きではない。制度を正す起点でなければならない。
ネットからのコメント
1、謝罪は当然のこととして、無罪が確定してから5年もかかっているのは腹立たしい。賠償についてもつい最近3100万円の賠償判決が出たが、滋賀県警と検察は本当に反省しているのだろうか。12年もの長期間にわたって収監されるなんて想像もできない、しかも無実で。どういう思いで日々を乗り越えてきたのだろうか。いつこのような冤罪が我が身に降りかかるかもしれないと思うと他人ごとではないですよ。
2、謝罪だけでなく、この事件に係わった警察官に賠償させて懲戒免職にしないと意味がない。税金から賠償とかありえないでしょ、公務員の不祥事でも限度を超えた分は個人で賠償すべき。
3、警察が真剣に正当に捜査し、その上で誤りがあったのなら謝罪で済ませてもよいと思うしかし、なんらかの恣意的な悪意に基づく行為は、犯罪的であり、警察組織だろうが刑事罰で処分されるべきであるそうしなければ、このような被害は無くならない
4、凄いよな…捜査に問題あったから冤罪になったと思うのに問題なかったとかなめとるで、結局重要な捜査側には不利になる証拠は隠してたんやろ?冤罪作る気満々じゃん!警察とかって、どうして無実かとしれない証拠になるものをあえて隠すのかな?保身?メンツ?こういう捜査側の犯罪行為で冤罪になった場合は、その捜査に関わって冤罪作る要因になった関係者の名前はさらすべきだと思うそして、冤罪者が受けた刑罰を受けるべきでしょう問題のない捜査の結果、冤罪になった場合は仕方ないと思います けど、重要な無実の証拠を隠すのは違うもはや犯罪、殺人より卑劣だと思います当時の捜査に関わった人達、恥をしれ!
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/d971aa31a7234ed01b258d8515e41c3bea8a7902,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]