【事件概要】
2020年4月の緊急事態宣言下、ミシン市場が一時的に急拡大し、社員19人の大阪市のミシンメーカー「アックスヤマザキ」が大ヒットを記録。同年3月末に発売した「子育てにちょうどいいミシン」がSNSで話題になり、注文殺到で3カ月待ち、工場は9カ月在庫不足が続いた。
2020年度は前年比12.5倍の営業利益、売上は10億円に達した。2024年の市場は2019年の半分だが、同社は高水準を維持。立体物にも縫える「MIRAIミシン」は大阪・関西万博に出展され、NY近代美術館本店でも1カ月で完売するなど快進撃を続けている。
【コメント】
縮小しきった家庭用ミシン市場で、小規模メーカーが起こしたこの逆転劇は痛快そのものだ。アックスヤマザキは、機能を増やして価格を上げる既存メーカーの常識を覆し、「誰もが使える・手に取れる」ミシンに徹底的にこだわった。その姿勢が、ユーザーの生活実感と強く結びつき、モノが売れない時代に“選ばれる商品”を生み出している。問題は、大手メーカーや行政がこうした実需に無関心だったことだ。
「既製品中心の消費社会=成熟」と思い込む構造の中で、「手を動かす喜び」を提供する道具が見過ごされてきた。今こそ、教育現場や福祉分野での“手仕事”の再評価が必要だ。ミシンが家庭から消えたのではない。「使いづらいまま放置された」が正解である。小さな会社が拾ったこの問いを、社会全体でどう育て直すかが問われている。創造性を閉じ込める時代に風穴を開けたのは、大企業ではなく、たった19人の工場だった。
ネットからのコメント
1、素晴らしいですね、斜陽産業だと思われていたミシン製造を知恵とアイデアと努力て今までとはまた違った使い方で新たな命を吹き込むとは。本当にすごいと思います。前に京都の桶を作っていたメーカーが、次の世代にバトンタッチしてアイデアを出して、ワインクーラーを作ったら大ヒットしたというニュースがありましたが、消えていくと思われる産業でもやり方次第でニッチでも生き残れる道があるんですね、脱帽です。
2、2キロで1万円ちょっととは素晴らしい。私もこどもが生まれた頃に中古ですが古いものでアルファベットの刺繍などもできるようなものを購入しましたが、なんせ重いのが一番のネック。
出そうとする手間がまず一つなんですよね。そして滅多に使わないからボビンの巻き方もわからない、下糸の通し方とかもYouTubeでわざわざ調べる始末。さらに一番やりたい丈詰めに必要な技術がなかなか身に付かず、結局時間はかかるけど基本的には手縫いしています…。軽くて安い、試してみたい。
3、これは日本よりも世界に販路を広げた方が良いかも知れない。日本の場合は安い輸入品の衣料に頼り、ミシンを使う機会は殆どないと言っても良いだろう。それよりも未だにミシンを使い、服を仕立てる家庭の多い国や発展途上国に販路を広げるべきだと思う。蘇れジャパンクオリティー。
4、長年使っていたミシンを飼い犬に配線を噛まれてボツにされ、ちょうど結婚のタイミングで新しいのを買ってそれを今も使い続けています。実際、ミシンに慣れるまでは使い勝手の良い簡単な機能のみの物が1番便利。子供の幼稚園グッズ類なんかは、複雑な機能や縫い方などは無くても作れます。慣れてくると色んな物を作りたくなるので、ロックミシンのような縫い方出来たらなぁ…とか、もう少しパワーがあれば‥など色々希望は出てきます。
本格なミシンに手を出すのはそれからでも全然良いと思う。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/0bbba7fac3558e1c0ad2818430e2453dc1ee6910,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]