参議院予算委員会で、保育士の処遇改善が議論されました。立憲民主党の高木真理議員は、全産業平均との差を縮める必要性を指摘し、具体的なロードマップを提案しました。黄川田仁志国務大臣はこれに対し、処遇改善を目安にしつつ、経験年数や役職に応じた賃金改善を行うと説明。しかし、明確な期限設定は避けられました。高木議員は、期限を定めないと人手不足が深刻化すると警告し、具体的な目標設定の重要性を訴えました。

この議論は、労働条件の改善を求める社会的声と、それに応じる制度の遅れを顕著に示しています。保育士は、子どもの成長と社会の基盤を支える存在でありながら、報酬が全産業平均を下回ることは異常です。制度の欠陥は、具体的かつ短期的な目標設定の欠如にあります。まず、全産業平均を超える具体的な賃金目標を設定すべきです。そして、透明性のある進捗報告を義務化し、状況を見える化することが重要です。また、保育士以外の関連職種の賃金比較を行い、業界全体を底上げするよう積極的な施策を展開する必要があります。これにより、未来の社会と教育を支えるための力強い一歩となるでしょう。さもなくば、肝心の子どもたちに質の高い教育が届けられなくなり、社会全体が大きな損失を被ることになります。それこそ、子どもや未来に対する私たちの責任を問われることになりかねません。

ネットからのコメント

1、幼稚園教諭、保育士、保育教諭の給与は確かに低い。確かに職種間の賃金差があるのは当然と言えるけれど、その子どもの保護者の子育てを支えているのが幼稚園、保育園、認定こども園であり、厚生労働省は数十年前に「少子化よりも労働者確保」に舵を切ったのだから保育者の給与はある程度補償すべきだはと思う。今やほとんどの子育て世帯が共働きだしな。

2、この質疑で自民党と立憲の立ち位置が表れている。どちらが良い悪いではないが、自民党はモノ・企業への投資、立憲は人への投資。先日の日経新聞に載っていたが、アメリカではAIの進化で会計・事務などの仕事の人員削減が始まり、ホワイトカラーから現場での転職が増えているとのこと。この傾向は今後の日本でも始まり、デスクワークの価値は低下する。一方、人間と接する介護・保育士・看護師などの仕事はますます重要性を増していくことになる。そのためにも、給与を早急に他業種並みにして、人材確保と共に優秀な人材が集まる職種にする必要がある。

3、激務なのに賃金安い職種、そんなんなりたがる人が増えるはずがない。

保育士にしろ介護士にしろ、ソーシャルワーカーとして間違いなく必要な職種なんだから、もっと高い賃金を貰ってもいい。そこいらのサラリーマンよりも貰っていいと思うぞ。自分は5歳の息子を保育園に預けているが、保育士の方々には尊敬の念しかない。

4、介護士、看護師、保育士など人を直接相手にす仕事の待遇が悪過ぎる。ただでさえストレスが溜まる職業なのに、それに見合うだけの待遇が得られなければやってられない。給料を上げ、福利厚生を充実させ、休みも十分に与えられなければ人材は集まらない。これからますます高齢化が進み、彼らの需要が高まるというのに。