コミックマーケット(コミケ)は日本のマンガ・アニメ文化を代表する大規模な同人誌即売会ですが、この活況の裏で同人誌印刷業界は苦境に立たされています。2025年の分析によると、全国約80社の同人誌印刷会社のうち、約4割が赤字で、業績悪化の割合は半数に達しています。物価高による原材料価格の高騰や人件費の上昇が利益を圧迫し、価格競争も激化しています。
最近では、北陸のスズトウシャドウ印刷が廃業を余儀なくされました。業界は、特定ジャンルへの特化や技術力で付加価値を生み出すことで、経営環境の悪化に対抗しています。
同人誌印刷会社の倒産や苦境は印刷業界全体の問題を浮き彫りにしています。まず、原材料費の高騰は経済全体に深刻な影響を及ぼしており、印刷業界も例外ではありません。こうした背景には複数の要因が関わっており、単なる価格上昇以上の構造的な問題が存在しています。さらに、同人誌のデジタル化やネット印刷の台頭も競争を激化させています。問題解決のためにはまず、業界全体で共同購入や原材料の効率的な使用などによるコスト削減努力を進めるべきです。次に、政府や業界団体による補助金や技術支援を具体化させ、中小企業が生き延びるための仕組みを整える必要があります。
そして、印刷会社自体もニッチなマーケットや独自の付加価値を生み出すことで、生き残る道を探るべきです。この状況こそ、文化を支えるインフラの重要性を再認識し、未来を担うための行動を促します。
ネットからのコメント
1、日本のオタク文化を支えてくれていた印刷業界の苦境はつらいですね。1990年代後半の学生時代、秋葉原の雑居ビルに同人誌を買いにちょくちょく行きました。今程オタクに寛容ではない時代でしたので、雑居ビルの細い階段を上がっていくが秘密のスポットに行く感じでちょっと背徳感がありました。紙文化は今後も残って欲しいものです。
2、一時期に小学校でもパソコンを使った授業があったが、身に入らずに紙の教科書の方が覚えるとかで、紙の本に戻っていると聞いた。やはり紙の方が何回も見返したり出来るので頭に残るのだろう。
部数は当然減っているが、残して欲しい産業ですね。
3、コミケはまだ安泰だろうけど、地方の同人誌即売会はどんどん廃れていきそう。物理的なイベントが無くなるのは寂しいけど、悪い側面だけじゃなく、ネット掲載からメジャーデビューする作家も増えてきてる。お金をかけず在庫のリスクなく地方に住んでいても平等に漫画家や小説家を目指せるのは良いことかもしれない。印刷業者さんには厳しいと思う。
4、コミケに関係あるかわかりませんが、知り合いの印刷屋さんの倒産が相次いでいまして、理由を聞くと大体がラクスルなんです。これは別にラクスルが悪いと言っているわけではなく。価格競争で勝てるはずもなく、簡単に自身でデザインもできるのでデータ作成料などで稼ぐこともできなくなったと。私もラクスルはよく使いますが、印刷屋さんにお願いするより早いし安いし便利なんですよね。今後紙媒体は確かに減るでしょうし、大手以外生き残っていくのは難しそうだなと感じます。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/054da6eb5d93381844bad7c90283371bce20d75c,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]