北海道の稚内空港で、2023年10月20日午前11時20分頃、札幌発稚内行きの全日空4841便が、滑走路から鳥を除去するための車両が退避している最中に着陸するという重大インシデントが発生した。事故は未遂に終わり、乗客70人と乗員4人全員に怪我はなかったが、この影響で3便の欠航が生じた。全日空によれば、積乱雲や雷の影響で飛行ルートを変更したが、滑走路の情報確認が怠られた。

国土交通省はこの事態を深刻視し、事故調査官2人が指名され調査が進行中である。全日空は調査に全面協力の意向を示している。

この事件は、航空業界における重大な問題を訴えている。滑走路の使用状況を確認せずに着陸を行ったことは、安全管理の基本を逸脱している。この背景には、乗務員と管制塔間のコミュニケーション不足や、訓練プログラムの欠陥が考えられる。問題解決には、まず乗務員が滑走路情報を確認する手続きを厳格に再評価することが必要だ。さらに、管制塔との連携を強化し、双方向の情報流通を確保すべきだ。また、飛行ルート変更の際には、自動化されたチェックリストを使用し、情報確認の漏れを防止する仕組みが求められる。このインシデントは、航空運行における安全意識の再確認を促し、信頼性の高いシステム構築の重要性を示している。

失敗を機に安全管理を強化し、航空旅行が安心できるものであることを可能にしよう。

ネットからのコメント

1、着陸できる体制にあるかどうかで指示出しは航空管制官の仕事ではないですか。空港自体が作業中にもかかわらず指示出ししないのは安全面からいえば異常でしょう。いつも管制官の問題が浮上しますね。

2、稚内空港は交通量が少ないため航空管制官は配置されていません。そのかわり指示はできない航空管制運航情報官が配置されています(レディオ空港と言います)。そのため、着陸は管制官の許可ではなく機長の責任で行います。今回の記事でANAウイングス側がクローズアップされているのもこうした背景があるものと思います。羽田などの大空港とはかなり勝手が異なりますね。

3、稚内空港は管制官がいない地方空港なので、管制官の許可で着陸するのではなく、パイロットが航空管制運航情報官から滑走路が空いている（Runway is clear）という情報を得てからパイロットの判断で着陸する必要がある。これを失念するとは重大なミス。

4、昨年１月に起きた羽田空港での航空機衝突事故の教訓が、今回の稚内空港での事案に生かされていないことに愕然としました。

今回の事故と昨年の事故は、直接的な原因は違うものの、両者には共通するヒューマンエラーと滑走路の安全管理という点で深く関連していますよね。昨年の事故から僅か１年８か月でこのような事故が起こったことを残念に思う。