2023年4月9日、山形県小国町でクマ駆除中に猟銃誤射事故が発生し、一人のハンターが負傷しました。負傷した男性は右膝に弾を受け、大けがを負い後遺症が残る状態です。町はこれまで負傷者に対して約1663万円の補償金を支払い、さらに重過失が認定された場合の金額を考慮し、元隊員と保険会社に1660万円の賠償を求める方針を決定しました。

町はこの提訴により、誤射した元隊員に「重過失がある」という点を裁判で明確にする必要があるとしています。

この事件は、多くの側面から見ると批判されるべき点があります。まず、猟銃の誤射という重大な事故を引き起こしたこと自体、現状の狩猟制度や安全管理の欠陥を露呈しています。このような事故を防ぐための注意義務が怠られたことには異常感を感じざるを得ません。制度的な欠陥としては、狩猟時の安全管理体制が十分でないこと、そして事故後の賠償責任が曖昧であることが挙げられます。これを改善するためには、まず、狩猟活動における安全基準の見直しと厳格化が必要です。また、事故後の責任の明確化を図り、迅速かつ適切な事故対応の体制を確立することが求められます。さらに、保険会社および自治体による透明性のある賠償手続きが確立されるべきです。

現状を克服するためには、制度の欠陥を明確にし、解決策を通じて安全で信頼できる狩猟活動の体制の確立を促進する必要があります。

ネットからのコメント

1、個人で狩猟に出た際に起きた事故なら小国町の言い訳はわかる。これは住民の安全のために町が委託した事故なので、責任の所在は町が負うのがあるべき姿かと思うが。個人の責任にして事を納めるのは正しいのかな。

2、警察の調べによると、加害者が「注意義務を怠った」とのことで、業務上過失傷害の疑いで書類送検されています。加害者が重過失となる可能性は高いです。被害者は歩きにくくなったとのことですが、切断等をしている状況ではありません。おそらく加害者と被害者は知り合いで、心情的にもですが、経済的にも考慮して支払い能力がないと考えて行政に訴えているのだと思います。加害者が重過失であったとしてもハンターとは委嘱契約なので行政には管理責任があります。適任者がどうか判断することと、責任区分、保険加入、免責条項、これらを確認して契約をしていたのかが問題になってくると思います。

いずれにしても被害者に補償しなければならないので結果的に行政が肩代わりするしかないと思われます。

3、誤射はクマの巻狩り起きた。巻狩りは、獲物を追い立てる勢子と待ち伏せて撃つタツに別れる猟法で、ハンターの1人が穴から飛び出したクマを撃ったら、その後方にいた勢子の膝に弾が当たった。巻狩りは誤射が起きやすく、無線や声掛けで互いの位置を把握し合う、タツは無断で持ち場を離れないといったことを狩猟講習などで教えられる。タツが無断で持ち場を離れ、勢子がクマの後方にいることを知りながら撃ったのなら重過失になるだろうが、被害者と加害者で証言が食い違っていて、町は裁判所の判断に委ねることにしたなだろう。

4、まぁ、正直なところ町としては「自分が間違ったんだから払ってね。過失認めてないから保険も出ないし」という判断なんだろうが、正直なところうち損なったハンターの方に「こっちで勝手に払っておいたから、払ってね」と同じ状況になっているし、何より「熊狩りの行動を抑える意図がない」と言っているのにこの有様では全くハンターに対する思いやりがないと思われても当然。

ハンターが恨みがあってそいつ狙って撃ったってんならまだしも、そんなことはないでしょ。みんなのために働いてくれる人たちに対して温かい対応であって欲しいと願うのですが。