【事件概要】

2025年8月7日、阪神の新人投手・伊原陵人（25）が中日戦に先発登板。自身の誕生日に勝利を狙うも、4回6安打5失点で降板し、今季5敗目を喫した。これで成績は5勝5敗の五分に。新人王争いから一歩後退したが、藤川球児監督は「2年目に成績を落とす例が多い」とし、新人王に固執しない姿勢を示した。伊原は開幕からローテ入りし活躍していたが、監督は長期的成長を優先し、無理な起用に否定的な考えを語った。

【コメント】

プロ野球界に根強く残る「新人王獲得＝成功」という価値観は、今や見直すべき時にきている。確かに目先のタイトルは華やかで注目を集めるが、その陰で過剰な登板や精神的プレッシャーに晒され、2年目以降に伸び悩む選手が後を絶たない。制度としての新人王争いが、育成方針よりも表面的な評価を優先させてしまっている点は見過ごせない。

そもそも1年目からフル回転で結果を求める運用は、選手寿命や将来的な戦力構築を犠牲にする制度疲労の表れだ。各球団は評価指標を再定義すべきだろう。たとえば①登板数に上限を設ける、②新人王の選定に「将来性」も評価対象に加える、③チーム方針として「育成優先」を明文化する、などの改革が必要だ。

藤川監督のように「1年で燃え尽きるな」と若手に言える現場の姿勢こそ、勝利主義に偏ったプロ野球への強烈な問いかけとなる。

真に価値あるのは“早咲き”ではなく、“長く咲き続ける”才能だ。

ネットからのコメント

1、新人王を獲得して、その後イマイチだった選手といえば上園啓史かな。だけど藪恵壹、村上頌樹のように2年目は確かに成績が落ちたけど、持ち直した投手もいる。まぁ藪の場合は他に筆頭する投手がいなかったのもありますが、伊原には、村上のように今後もローテを守れる投手になってほしいですね。今は目の前の課題を克服し、さらなる高みを目指してほしい。しんどいだろうけど今シーズンなんとか乗り切って次に繋げてください！

2、プロで一年経験していないですし、暑い夏場になるにつれて良く無い状態になってしまったのは、一部には疲れもあるでしょうね。これからピッチャーとしてレベルアップするためには、改善すべきことが多々あると言うのが分かったと思いますので、一つづつクリアして行ってもらいたいです。

3、昔は選手の特徴、弱点分析に時間がかかったから、翌年は成績落とすと言われていたが、いまは１ヵ月も経てば対策取られて成績落ちる選手が多い。テルも１年目、オープン戦でホームラン７本も打ったので、シーズンに入ると弱点を突かれて、三振王になったが、それでもホームラン24本と左打者新人記録を作った。

昨日の伊原は制球も球威もなく、疲れが出ているのか良くなかった。まだまだこれから長い選手生活なんだから、リフレッシュしてまたレベルアップして欲しいね。

4、新人王は素晴らしいけど、長い目で見ると選手生活の1ページ。トータルでどれだけ成績を残せるかが大事なんだから、監督の考えは間違ってないと思う。昨日失点しても監督、コーチがマウンドに行かなかったのは、任された試合を作るという先発の責務を教えるためだったんだと思う。教育のために試合を捨てても良いと思わないと出来ない采配。それが出来る今の阪神は間違いなく強い。