不登校児童生徒の増加は、日本の教育システム全体に対する問いかけとして解釈される必要性を持っています。文部科学省の最新の調査によれば、2024年度における不登校児童生徒の数は35万人を超え、これは全児童生徒の約3.9％、中学校では6.8％に相当します。この長期的な増加傾向は、2013年度以降に12年連続で増加し、ほぼ3倍の水準に達しており、単なる年次変動では説明できないという構造的な課題を示唆しています。

対策として、教育機会確保法に基づく多様な教育制度の整備が進行中であり、「学校の存在意義の再定義」が開始されています。しかし、現場の対応はまだ不十分で、それぞれの学習と支援の体系的な保障が必要です。

不登校の増加は、教育制度の限界を露呈しています。日本の学校制度が直面しているこの問題は「個人」の問題ではなく、「制度」の不備に根差しています。不登校は、現行の一斉授業を前提とした学校モデルが、多様化する現代社会のニーズに適応しきれていないことを如実に物語ります。この問題の本質は、教育の標準モデルがもはや現代の子どもたちの多様性を包括できない点にあります。具体的な改善策として、まず、学校内での多様な学びの場を確保し、不登校児童が安心して学べる環境を整えることが必要です。次に、フリースクールやオンライン学習の選択肢を増やし、より柔軟な学習機会を提供すべきです。

最後に、学外活動の充実や、地域と連携した教育の促進によって、学校を地域教育センターとして活用することが求められます。学校制度の変革が求められる今、教育システムの再設計は避けられない課題であり、日本社会全体がその重要性を認識し、迅速かつ真剣に取り組むべきです。

ネットからのコメント

1、学校に行かなくても良いという風潮が一般化したからです。これは昔との比較ですからどちらが良いという話ではありませんが、昔は学校へ行かないという選択肢はなく、不登校生徒は心が弱い、甘えた子どもという認識でした。さらにその先の進路は閉ざされた状況でした。ですから、無理やり心をすり減らし登校していた生徒が少なくなかったでしょう。現在はその枷がゆるくなり、無理して登校しなくても良くなった。数が増えるのは当然です。しかも昔より簡単に休めるようになった。ゲーム依存、怠学等で学校に「行けない」ではなく「行きたくない」子どもも増え、さらに進学先もある。

2、私は不登校になりかけた時に、朝早く起こされて親の仕事に連れ回されました。親が働く姿を見たり関わる人との繋がりを知って、自分がいかに護られた小さな環境の中にいるか、働くことと勉強することの繋がりを認識できて、働くためには学校で勉強しなければと思いました。

(親はたぶん、家にいるだけなら仕事してくれってだけだったと思います)不登校になる原因や理由にもよりますが、体調が悪くなければ働かせたらどうだろうと思います。(金銭授受が伴わない働きです)小学生なら、親と一緒に地域のボランティアに参加するとか地域でゴミ拾いするなどの社会に貢献するのが良いのではと。玄関掃除を延長して500メートル先まで掃き掃除してくるでも良いと思います。学校に縛るだけでなく、家に籠もらせるのではなく、不登校児がボランティアしながら社会と繋がることができそうな機会と場所があると良いのではと思います。

3、文科省の考える児童生徒像と実際の子どもの姿が、あまりにも乖離してしまっていることが原因だと思います。学校制度そのものが現代社会に合わなくなっています。教育行政の施策があまりにも非現実的な上、現場丸投げを繰り返しています。文科省の役人や中教審の学者は、現場の学校で一度担任をして現実を知る必要があると思います。それが出来ないなら、せめて現場の意見を聞く場を設けるべきです。このままでは学校がもちません。

4、昔はLINE、youtube、優れたゲーム機が無くて、もっと単純な生活だったから成り立ってたのかも知れません。いじめも見て聞いて分かる物だったし、盗撮問題とかそんなに無かったし。近代の変化そのものが脳の使い方を変えてるのだと思います。今の子供はLINEとかで裏で虐められたり、避けられたり、虐めの質が変わってて自分個人では解決しようの無い問題や、逆に幅広い楽しみ方が増えていると思います。その中で、例えば中学受験とか、部活とか、生徒会（何かしら役割）をしながらの人間関係。学校は行って勉強して帰ってくる場だけじゃないから、悩みが多いんでしょうね。時代に沿ってスマホは必需品だし、でも買えないからみんなと合わせられないとか。物価高も、コロナも、一つの変化です。一概に昔は出来たから今も出来るはずだと片付けるのは難しいかな。要するに、時代？その時代に有った教育法を探すのは大事だと思います。