中国のロボット工学起業家、チャン・チーフォンが開発した「妊娠ロボット」は、結婚や妊娠を望まないが子どもが欲しい人々のニーズを満たすことを目的としています。開発企業カイワ・テクノロジーによれば、人工子宮技術を組み込み、自然に近い妊娠を再現しようとしています。中国の少子高齢化や不妊率の上昇が背景にあり、2020年には妊娠可能年齢のカップルのうち約5.
6組に1組が妊娠に困難を抱えている状況です。試作機は来年市販予定で、価格は10万元(約14,000ドル)と高額で、技術的検証箚が進んでないことや倫理面の懸念が指摘されています。
この妊娠ロボットの開発は、新しい技術の導入として注目を集めていますが、その斬新さに隠された問題を見過ごすことはできません。社会における出生率低下という現象に対する解決策として、親の望みを満たすために設計された人工の「母」とは、新たな技術の誤用である恐れがあります。妊娠と出産は生物学的プロセスであり、倫理問題や安全性の観点から深い考察が必要です。まず、規制なしに商品化されると、市場は倫理に反する要望を満たすために技術利用を推進しがちです。次に、健康リスクやメンタルヘルスの問題を無視したまま進めることは、社会に有害な影響を及ぼします。
最後に、技術の進歩が社会的価値に対抗するのではなく、新たなる革新が人々の心の在り方と調和した形で進むべきです。社会は進化を認識する際に、倫理的価値観を忘れるべきでないことを胸に刻むべきなのです。
ネットからのコメント
1、中国には確かにこれまでにないものに果敢に挑戦するチャレンジ精神がある。それが新しい時代に適合して世界をリードする原動力になりうることは認める。ただし、新規技術には迂闊に手を出してはいけない、失敗したでは済まされない分野もある。生命倫理に抵触する分野はその際たるもので、こういうものにもホイホイ手を出すところが、中国の非常に危険な側面だと感じる。人智を超えたものに「畏れ」を感じない、合理性だけが行動原理にある科学者、技術者というのは結果的に人類の敵になりうる。
2、もう技術だなんだの問題では無くて、こういう発想自体が気持ち悪い。自然の摂理や人間の倫理において、テクノロジーでカバーできる物とそうでない物があるはずだ。
3、地球へ…というアニメに描かれた世界が近付きつつありますね。先天的な理由、或いは子宮の病気や摘出によって子供を授かれない夫婦が子供を望んだ時、血の通った代理母ではなく血の通わないアンドロイドにその役割をさせたいと思っても不思議ではないかと。
今でさえ、未熟児や病気が理由で保育器を使うのは当たり前の事ですし、それが更に進化して人間の受精卵から孵化させる孵卵保育器が開発されたという事かな。妊娠、出産のハードルを下げる点で、合理的ではあるでしょうね。
4、子羊ですら最後まで安定的に人口子宮で育てた実績はなさそうな記述があるようなので、人間への実用化は相当先でしょう。ベンチャーは注目を集めるためにこういうセンセーショナルな見切り発車をよくやるんですよね。注目が集まると投資も集まるので。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/7ea8ecd7f0bf5e2321add29fcb9c7052dd59e746,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]