年功序列を望む新入社員が増加していることが産業能率大学総合研究所の調査で判明し、2025年度版の最新調査では、その割合が56.3%に達しました。この調査では、「福利厚生」「業種」「給与水準」が就職先選びの主要な要素として上位に挙げられ、多様な価値観が混在する中で「安定」を求める傾向が強まっていることが示されています。背景には、予測不能な環境変動への不安や、安定した職場環境を重視する意識の高まりが指摘されています。
この結果に企業は今後、評価制度の再設計やコミュニケーションの工夫、多様化への対応が求められますが、年功序列への回帰は、単なる「保守化」と見なすべきではなく、若手の持つ将来不安を解消することが重要です。企業は戦略をアップデートし、安心感と成長機会を両立させる取り組みを行うことで、若手の意識と期待に対応する必要があります。年功序列への支持は、社会全体の価値観変化を示すものであり、企業自体の変化を促す契機とも言えるでしょう。社会は安定と変革のバランスを取ることで、個人と企業の双方にとってより良い未来を築けるはずです。
ネットからのコメント
1、給与水準や福利厚生を重視するのは当然です。そもそも、仕事って自分の生活基盤を安定化するために行うものであって、会社の事業活動に貢献するのは手段でしかないんですよね。
長期的な生活基盤の安定という観点から、年功序列型を志向するのは合理的な判断だと思います。成果主義というのは経営側の都合でしかありません。成果主義というのは、成果を挙げられなかったら収入が下がる制度です。決して、成果を挙げたら高い報酬が得られる制度ではありません。その成果も明確な基準があるわけでもなくて、サジ加減でいかようにも下げられる。つまり、経営側に報酬引き下げの免罪符を与える制度が成果主義です。年によって収入がアップダウンするわけだから、これでは安定的な生活基盤が期待できません。年功制を志向するのは当然です。
2、成果主義といえば聞こえはいいですが、日本のそれはほとんどの場合、人件費抑制施策にしかなってない。結局のところ限られたパイを社員同士で取り合ってるだけだし突き抜けた実績をあげても「他の人とのバランス」というよくわからない理由でそこそこの評価にしかならない。挙句後輩への教育だとかナレッジ共有とか社内向けの仕事が増えるだけ。それだったら年功序列にしてあげた実績に対してポジションで報いる従来の評価制度の方が将来設計を組みやすいし安心感がある。
3、年功序列の従来型日本企業は信じられないほど若手の給料が安かったから、それならリターンのちゃんとある成果主義を、という時代が続いた。それが昨今の人手不足で手厚い福利厚生はそのままに給料水準が大幅に引き上げられたのだから、それなら安定志向で、となるのは当然の動きではないかと感じた。
4、私の会社は入社した頃は「年功序列」であった。ある一定の社歴になると、ある一定の資格になる。基本給というものがあり、これは基本的にはだんだん上がった。ただ役職になれるか、また役職が上がるかは、かなり個人差があった。役職になれない人もたくさんいた。そんな人には「専門職」という肩書がつく。一番下の役職と同等の手当が出た。そこまでで、それ以上にはならない。とは言え、専門職でもかなりの収入はもらえた。まあ私なんですが。途中からは業績評価になり、昇給やボーナスに大きく差が出るようになった。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/03a8658866292c35600698adaa32a5a2003c1b01,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]