中野サンプラザは、かつて東京都中野区のランドマークとして知られ、多くのミュージシャンとファンに愛された複合施設でした。しかし、令和5年7月に老朽化を理由に閉館し、取り壊しが予定されていたものの、事業費の高騰や事業計画の見直しによって、建て替えの計画は頓挫しています。計画に基づくと、再開発事業は約2600億円の事業費が見込まれていましたが、昨年秋に野村不動産が900億円以上の追加費用を指摘し、区は今年6月に協定を解除しました。

区民の中には再利用を望む声もありましたが、行政は否定的であり、現状では今後の方向性は未定です。大量のカビの発生などにより再利用には大規模な改修が必要で、費用が100億円を超えるとの説明を受けている状態です。

この問題は、再開発計画の欠陥と行政による対応の遅れが浮き彫りになる事例です。資材費や人件費の高騰が影響しているとはいえ、計画の見直しや事業の白紙化までに至る過程が不透明であることが不満を募らせます。まず、情報の透明性を確保し、関係者全員が理解できる形で状況を共有することが求められます。次に、区民の意見を再度収集し、具体的な要望に対する回答や解決策を提示することが重要です。また、建築費の抑制策についても再評価を行い、組み合わせて実行可能な案を進めるべきです。地域の歴史的アイコンとしての価値を尊重し、現代に合った利用法を模索することで、現在の停滞を突破し、未来への展望を開くことが可能となるでしょう。

再開発の失敗が、単なる事業の遅延とならず、地域全体の活性化を阻む悲劇とならないよう、早急な対策が求められます。

ネットからのコメント

1、野村不動産は再開発に関しては無責任きわまりない企業だと思う。中野だけでなく、津田沼や福島でも同様に建設費高騰を理由として計画見直しを迫り、再開発組合や自治体に迷惑をかけている。こんな会社が再開発事業を担当しない方が世の中のためではないだろうか？

2、もう解体されると思っていた、中野サンプラザをまだ見ることができて嬉しいが、それより古い京王プラザホテル（1971年築）はリノベーションをして、さらに100年生きる道を選んだのに、それより若い中野サンプラザ（1973年築）が、どうしてこのような境地にあるのかには複雑な思いがある。確か中野サンプラザは、かなり堅牢な造りになっていたはずなので、解体するより、今の建物をリノベーションして、新中野サンプラザとして再開した方が中野区はもとより、大袈裟かも知れないが日本のためにも個人的には良いと考える。

3、名鉄の駅前開発もそうですが、今後は労働供給の減少により、従来のようなハードありきの再開発は非常に厳しくなります。

施設のリノベーションやバリューアップの工夫余地がないと、人口減少社会では老朽化したデッドアセットが今後積み上がってきますね。

4、ますます費用は上がってくよねーいくら待っても。まずは解体だけ進め、広い芝生の公園にでもした方がみんな喜ぶのでは？野外フェスもやれるんでは？災害時は避難所としても機能するはず。