10月15日の参院予算委員会にて、共産党の山添拓氏が政府の防衛費増加方針を批判した場面が注目された。山添氏は軍拡への懸念を示す国連事務総長の報告書を引用し、首相に意見を求めたが、防衛相の小泉進次郎氏が割って入り、中国の軍事費増大を引き合いに出し、日本の防衛費増の必要性を主張した。小泉氏は、「言うべき相手は中国」であるとし、地域の軍事バランスの崩壊を防ぐため、日本の防衛力強化を正当化した。

一方で、山添氏は憲法9条などを踏まえた議論を求め、小泉氏が防衛力増強の前提に対して反論することで、議論は白熱した。

防衛費の増加を巡る政府と野党の実のある議論の是非を問うこの事件は、強烈な社会問題を露呈している。小泉防衛相の主張は一面の理があるものの、底流には日本における防衛政策の矛盾と制度の限界が見え隠れする。まず、防衛費増加が平和と安定を直接もたらすわけではないことを歴史が証明している。他国の軍拡に対抗するための防衛費増加は、軍事バランスの維持という視点にはつながるが、果たして国民の安全と地域の安定を長期的に保証するのかは疑わしい。小泉氏が中国の軍事費を引き合いに出す点は理解できるが、地域内での平和的共存を促すためには、軍事力だけでなく外交努力が不可欠だ。解決策として、まず多国間の対話の枠組みを強化し、相互理解を深めることが必要だ。

さらに、国際機関と協調した軍縮の道を探るべきであり、教育や経済協力を通じて地域の安定を促進することも必要だ。この議論は、単に防衛費の数字を超えた価値観に基づく、本質的な選択を迫るものである。防衛費の増加だけでなく、持続可能な平和を築くための多様な取り組みが必要だという結論を持って終始させるべきである。

ネットからのコメント

1、戦争にならないよう抑止力を高めるために防衛費を上げる。みなみな平和を望んでいるのは当たり前のこと。ただ世界には隣国には政権を維持するために何をしでかすかわからない国家がいることを認識しなければならない。そのための備えだよ。

2、軍事費が7倍もある相手には喧嘩しても勝てないから従えと？見かけだけの平和を作って彼の国に良い顔をしていると、ますます搾取され続けることは岸破政権時に岩屋などがわかりやすく教えてくれました。しかし、小泉さんは防衛大臣に就任されてからは、野党の議員に対して素晴らしい応対をなされているものだと感心いたします。綺麗事だけをならべて、真に日本のことを考えていない議員や、彼の国に対してはこれからも毅然と冷静に対処していただきたいです。

3、進次郎さんのいうように現在の日中の対立を見て防衛費減額を訴えるのは中国に日本をプレゼントするような行為に他ならない。立憲なども防衛費減額の予算案を底質しているようなので、絶対に政権を任せたくないと改めて思いました。

4、建築物や工業製品だけでなく契約、条約、国家主権などの全ての約束事も力学で構成されている。背景に抑止力が働かなければ契約書の署名なんか紙切れです。ロシアの侵略、中国の軍事的経済的恫喝、嫌がらせで日米抑止力強化の必要性に気がついた国民は多いのではないでしょうか。