国内の中小企業において、2030年度を超えると見込まれる倒産件数の増加とともに、「廃業」の事例が過去最多の7万件に達する見込みとなっている現状があります。特定の業界では、EVシフトといった市場の変化により、製造業が特に影響を受けているそうです。2024年には企業倒産が11年ぶりに1万件を超え、25年も同様の傾向が続く予測があります。

この背景には、物価高、円安、人手不足、コロナ関連融資の終了が影響している一方で、廃業の理由には経営者の高齢化や事業環境の変化も含まれます。廃業を決断する企業の半数は黒字を維持している事実も、社会構造の複雑さを物語っています。

中小企業の廃業数が急増する現状において、深刻な懸念を招いています。廃業の増加は単なる経営の失敗ではなく、制度の欠陥や市場の変化に対する適応困難の結果です。まず、事業承継の難しさが浮き彫りになっています。特に、後継者に多額の負担を背負わせる制度には改善の余地があります。次に、EVシフトによる製造業の衰退が原因の一部です。業界は変革に対応できる柔軟性が欠けています。さらに、政府と企業が取り組むべき具体的策として、制度改革を通じた税制優遇、新技術への迅速な投資、そして事業継続への資金援助が求められます。

しかし、最終的には個々の企業が強力な商品力を持つことと、顧客理解を得ることが不可欠です。廃業を選ぶのが常態化しつつある社会では、将来の利益を約束できる強固な企業体制が必要です。政府と企業双方がこの課題に一丸となって立ち向かい、持続可能な経済環境を構築することが求められます。

ネットからのコメント

1、倒産が約1万件、廃業が約7万件ある一方で、新設された法人も過去最高の約15万件というデータもあります。時代によって人々から求められるビジネスも変わりますので、企業の新陳代謝があることは必ずしも悲観することではないでしょう。役割を終えた企業を無理に延命させるよりも、産まれたばかりの若い企業の成長を支援する仕組みを拡充して欲しいと個人的には思います。

2、私の叔父(80歳)がこの状態です。従業員２０名程度おりますが、子供は病気で跡継ぎが出来ず、お金は沢山あるのに口癖は「老後の蓄えが‥」で、今までいた幹部候補も呆れて転職される始末。報酬が下がるから代表権も退かない、役員は働かない家族ばかりにして役に立たない。これでは未来がなくて辞めて行くのが分かる気もしますよね。

問題は何かあった時の残された従業員ですね。恐らく従業員も密かに転職の考えぐらいはしているでしょうけど。結局、仕事が出来なくなり廃業でしょうね。こういう会社多いと思いますよ。

3、個人事業主で鉄工業を営んでいた人が、仕事の受注(3次下請け)が激減して廃業した。借金は全て返済を終えていたので、身軽だった事が幸いでしたが、一時は凄く忙しかった事を知っているのでまさかと思いました。しかし、時代の流れで必要な物を作る事が出来なかった事も事実の様です。近しい身内だったので、破産では無くて他人に迷惑をかけない廃業出来て良かったと思っております。

4、今なら迷惑をかけずに（＝支払を全てして）会社を畳める。今は順調でも、産業構造が目まぐるしく変わる中で将来的に事業を継続していくビジョンが描けない。こんなに精神的に辛い「経営者」を子供達にやらせたくない。（または子供が別の道を歩んで継ぐ気がない、子供の道を途絶えさせてまでやらせるものではない）ならば、廃業しようと考えるのは自然なことかと思います。　供給先には畳むことで迷惑かけるかもしれないが、安易に続けることで逆に将来的に従業員が辛い目に遭うかもしれない。

M&A業者使って騙されたり、良かれと思って事業を譲ったことで逆に周囲に迷惑をかける可能性もある。社内で「継ぎたいって」人が出てくればありがたいけど、そんな人ばかりではないからね。　廃業するのも経営判断です。