事件概要:大阪府高槻市の運送会社「シーガル」が社員による横領被害を受け、倒産危機に直面。2023年10月、経理担当者が約5000万円を横領し、税金や厚生年金の滞納金が発生。税務署や市役所は猶予を認めた一方、吹田年金事務所は「横領は猶予対象外」として差し押さえを実行。これにより売上げが1/3以下に減少、運転手20人以上が解雇される事態に。
後に職員の法律知識不足が発覚し、厚労省が処分の取り消しを決定。年金機構も方針を変更し、裁判が進行中。

コメント:行政機関に求められるべき責任感と専門性が一貫して欠如していた今回の対応は、企業のみならず社会全体への重大な害を及ぼしました。本来、横領被害者に対する猶予制度は、法律によって明確に定められています。それを「聞いたことがない」などと無責任な言葉で片付け、差し押さえを強行した年金事務所の行動は、社会的公正を著しく損なうものでした。
問題の本質は、担当職員の深刻な法律知識の不足と、企業や弱者への支援よりも徴収ノルマを優先する風土にあります。さらに、書類の提出について企業に負担を押し付け、行政が主体的に現状把握や制度適用を行おうとしない姿勢が浮彫りとなりました。
今後求められる解決策として、第一に行政職員の法律知識の徹底的な教育を実施すること。
第二に、被害者救済を優先する猶予手続きの簡素化を図ること。そして第三に、監査制度を改良して不正確な差し押さえが発生しない仕組みを確立することで、社会の信頼を取り戻すべきです。
社会には、公正さと正義が常に優先されなければならない、という基本的な価値観を思い出す必要があります。行政の過ちを正すことこそ、社会全体の健全化への第一歩です。
ネットからのコメント
1、年金機構はみなし公務員であり、法の不知は許されない。また、掌を返すように申請されていないからという詭弁も許されない。会社側も直ぐに専門家に依頼する、録音しておくなど対応すべきだったと思うが、今回の機構の対応は結果的に国損(会社の利益減少=税収減及び失業者の発生)を与えているわけで、謝って済む問題ではない。これで敗訴して損害賠償となれば、担当職員に賠償させる必要がある。
2、これ実話です。60歳で第2の職場に勤める前に厚生年金の受取につき年金事務所に行きました。週3日とか役員にならないとか独学で勉強し、在職老齢年金の減額を避ける方法を質問した。しかし3人の相談員の回答が異なっていました。
何故かと聞くと「実は社労士のアルバイトではっきり分かりません」という答えには驚きました。最後は所長に確認し5年間減額なく満額受領しました。その時本当に勉強して良かったと思いました。その時の所長の言葉が「東京と神奈川では解釈が違いますから」でした。それだけ社会保険制度がいい加減だと思いました。独学でも自分のケースは自分で勉強すべきだと思いました。記事のケースも職員なのかアルバイトなのか分からないと思います。
3、年金事務所の処理が間違っていたので、年金事務所に連絡をしたら、間違っていることは認めたが、書類の再発行はできないと断られました。年金事務所はできると言っていたのに広域事務センターは再発行できないと回答。年金事務所にも詳しい方とそうでない方がいるので、回答を鵜呑みにしてはいけないと学びました。結局、間違いは間違いなので訂正文などの文書の提出を求めたところ、正しいものを発行してもらえたので良かったです。私が厚生年金の仕事に携わった4年間で、年金事務所(広域事務センター含む)の手続きの間違いは2回ありました。
絶対正しく処理してくれていると思わず、自分でも確認をすることが必要です。この額の横領を誰も気付けない体制をしていることが危険だと思います。
4、単に担当者が自分の失敗を露見させたくないから、無いことにしようとしたのでしょう。当然上司も含め組織だってのことだと思います。これだけおかしなことをしておいて、担当者はなんのお咎めもなしなんですかね。減給10%1ヶ月とかその程度になるんでしょうか。しっかりと担当者には厳しい処罰を与えるとともに、税金からではなくこの担当者の身銭で賠償させてほしいと思います。学校の先生がプールの水閉め忘れるより遥かに悪質だと思います。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/29388f825e5431baa285a715f76519e7b5c60a3c,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]