現代社会では、婚姻数の減少が続いており、その背景にあるマッチングアプリの影響が注目されています。2023年のデータによれば、直近1年間で結婚した夫婦の約29.8%がアプリで出会い結婚したとされています。しかし、この数値を婚姻数全体の減少と見合わせると、アプリ婚が全体の婚姻数を底上げする役割を果たしていないことが明らかです。
友人紹介や職場結婚など、従来の「社会的お膳立て婚」が減少している一方で、アプリを利用した自力婚は増加傾向にあります。この変化は、恋愛が個人戦になり、恋愛強者がアプリを利用して効率的にパートナーを見つける一方で、従来のリアルな交流を介した出会いの機会が減少し、恋愛弱者にとっては逆風となっています。結婚が社会的な共同体に支えられていた時代は徐々に崩壊し、個人の自己責任が強調される孤立社会へと変容しているのです。

この状況は、恋愛や結婚が個人の問題として投げかけられ、社会的な支援や共同体の役割が軽視される現代の風潮を反映しています。まず、結婚の形態が多様化し、選択の自由度が増していることは歓迎すべきであるものの、その自由は必ずしも多数の恩恵をもたらすものではありません。個人戦化された恋愛市場では、成功を収める者と、孤独を深める者との間の格差が拡がっています。
この格差を縮小するためには、まず、地域や職場における社交機会の増加を促進し、結婚への社会的支援を強化する必要があります。次に、企業や共同体が職場でのコミュニケーションを柔軟に捉え、セクハラリスクを過度に警戒せずに自然な人間関係を構築できる環境を促進することが重要です。そして、デジタルツールに依存しない多様な出会いの場を強化し、個人の負担だけに頼らない社会的なバックアップを提供することが求められます。「誰の力も頼らずに自力で恋愛しよう」という風潮は、自己責任を強調しすぎるあまり、結果として孤立社会を助長し兼ねません。個人が社会と協調し、豊かな人間関係を築くことで、より健全な未来を描けるのではないでしょうか。



ネットからのコメント
1、炎上前提で言うが、少子化と婚姻数激減の最大の原因は、どう見ても「女性の社会進出」だと思う。女性が働けるようになり、「結婚しなくても生きていける」「男に頼る必要がない」環境ができた。その一方で、男に求める条件だけは大幅に上がった。結婚が“必需品”から“贅沢品”に落ちただけ。しかも日本のGDPは20〜30年横ばい。経済が伸びないまま労働人口だけ増えれば、男の収入は下がり、女性の理想は上がる。これで婚姻率が減るのは当たり前。女性の社会進出を否定する気はないが、その代償として結婚と出生が減るのは最初から見えていた話。男性側の条件は昔と大差なく、変わったのは女性の「選別基準」と、それを許した社会構造の方だと思う。
2、仕事関係で異性に話しかけるのは極めて危険。
こちらにその気がなくても、相手が少しでも嫌な思いをしたらセクハラパワハラと認定され、人生を棒に振る可能性がある。飲み会も危険。上下関係を利用され性接待させられたと訴えられたら、それが事実かどうかは関係なくその時点で人生を棒に振る。早い話、仕事関係の異性は全て地雷と考えたほうが安全。見るな触れるな関わるな、です。異性と関係を持ちたいなら、お互い相手を探している前提のアプリか、金で買うのが最も安全。少しの嫌なものでも排除しようとしてきた社会の結末がこれ。他者との関係を絶ち自滅する。人間という生物に相応しい末路です。
3、アプリで簡単に出会えちゃうから、もし恋愛したくなればアプリですればいいやーって感じで、職場でアプローチしたり、友達にわざわざ頼んだりをしなくなるのではないでしょうか。やっぱり普通に生活していてそこに恋愛入れ込むことは、少し億劫に感じます。一人でいる方が圧倒的に楽ですから。また、アプリでは無限の数の異性に出会う事ができるので、理想も高くなっていると思います。少しでも違和感があれば、向き合うことなく次。
それに、今の時代独身でも何ら問題ない。どんどん結婚へのハードルが高くなっている気がします。
4、人生設計について話すことがあるので結婚について触れることもありますが、「個々人の選択」「数ある選択肢の一つとして」はしつこいほど前置きしますね。本当は触れること自体が価値観の押し付け、と見られかねないので触れたくないのですが、人生設計について話さなければいけない立場上、不本意ながらも触れるしかない。でもそれが我々の望んだ社会なのでは。社会の崩壊、とありますが、人との繋がりを可能な限り解消させ、一人で無名の他者、最悪AIでも構わない接点があれば良い。それが私たちの少なからずが望んだ未来像であり、それが現前しているだけと思います。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/ebfe2ce96da7ef5739cf7caa916c3006aa1b2221,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]