国内各地で進行中の整備新幹線計画が遅延している。北陸新幹線の敦賀―新大阪間では、小浜・京都ルートを巡る反対運動や工費高騰が問題となり、プロジェクトが停滞。北海道新幹線・新函館北斗―札幌間は難工事により、2030年度の完成予定が8年以上遅れる見込み。西九州新幹線・新鳥栖―武雄温泉間は佐賀県の反対によりルート未決定。これらの遅延の背景には、費用や環境影響に加え、府県間の対立を解決する制度の不備があるとされる。
法的手続きでは決定が不可能となり、長期化が予測される状況に陥っている。

整備新幹線の進行が遅れているのは、深刻な社会構造の問題を露呈する。特に、府県間の対立を解決する仕組みが欠けている点は驚きだ。この状況が続けば、新幹線の本来の目的である地域の活性化が見込めず、国全体の経済にも悪影響を及ぼすだろう。問題の本質は、ステークホルダー間の利害が整理されず、合意形成のプロセスが不透明である点である。これを解決するには、まず政府が主導して利害関係を整理し、透明性のある協議の場を提供することが必要だ。そして、ルートを選ぶ際の費用対効果を明確に提示し、地域ごとの特性に応じた最適な交通インフラを選択するべきである。さらに、新幹線に頼るだけでなく、既存の在来線や公共交通を含めた地域交通の改善策を積極的に模索するべきだ。
この未解決の新幹線問題は、日本の老年期の社会構造が求める現実的な視点の欠如を象徴している。今こそ、時代に即した新たな社会設計を掲げ、地域の未来を支える足元を固めるべきである。
ネットからのコメント
1、西九州新幹線は「新鳥栖―武雄温泉」の開通の目途が立っていないのに、「武雄温泉―長崎」を先に着工し、開通させたのは理解しがたいですね。フリーゲージトレイン(軌間可変電車)も検討されたものの、実現の目途は立たず、山陽新幹線内で最高速度が遅いことがボトルネックになるとして、JR西日本からも拒否されています。「武雄温泉―長崎」を先に開通させれば、「新鳥栖―武雄温泉」の開通へ世論が傾くという目論見も外れたように思います。そもそもフリーゲージトレインを前提にするなら、「武雄温泉―長崎」をフル規格新幹線にする必要はなかったのではないでしょうか。
2、新幹線建設が進まないのは、日本の人口が減少し作っても採算が合うのだろうかという疑問があります。日本の将来を考えたとき莫大なお金をかけて作る必要があるのか、という疑問もあります。
それに昔と違って今は新幹線のほかにもいろんな交通手段が整備され新幹線がなくても便利さが格段に向上していることです。
3、全国津々浦々まで建設しようというのが間違い。高度成長期は良かったかもしれないが、現代では完全に行き詰まっている。本来は輸送力が逼迫しているから新線を増設するのが新幹線の役割。並行在来線の問題があるということは、新幹線と在来線を両方は経営出来ない地域に建設している訳で、ステークホルダーの主張がぶつかり合う要因になってしまっている。東九州、山陰、四国などは論外だし、北陸も敦賀以西は建設を諦めた方が賢明。
4、北陸新幹線、西九州新幹線に関して、おっしゃるとおり府県市により温度差が激しいですよね。本来は国が調整すべきものでしょうが、国は防衛費などの増額には一生懸命ながら(増税をしてまでだそう)、整備新幹線の延長に関しては、この計画が立てられた当時に比べれば〝進めよう〟という声すら聞こえてきません。一定以上の年代の方ですと完成を見る事なく、全通するのは20年後か30年後か。結局、JR西日本・九州の負担額は増えていき、長崎県、北陸3県の方が乗換えの手間が増えた等、不便となっているような。
結局、造らなければ良かったのにという状態に。また西九州新幹線などは、山形・秋田新幹線方式のミニ新幹線で良かったような。得したのはゼネコンのみ……ですよね。新幹線の問題もそうですが、やはり人口減の時代にどう対応すれば良いのか、将来の道筋を描ける人が必要かと思いますが、無理でしょうね。悲し限りです。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/d33a4f2d2ebfbf057ecc15099cf6348603f781d0,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]