2018年12月、元警察官で富山市のデイサービスを経営していた84歳の江口実さんが、朝食準備中に突然現れた4人の男性によって栃木県の報徳会宇都宮病院へ強制入院させられました。精神疾患のない江口さんは、息子との金銭トラブルが原因で、医療保護入院という制度を利用され、本人の同意なしに入院しました。長男の同意のもと、向精神薬を投与され、副作用に苦しみながら刑務所以下の生活を送りました。
37日後、次男と妻が長男を説得し退院することができましたが、病院を訴え、今年5月に宇都宮地裁が違法入院と認定、約300万円の賠償命令が確定。しかし、制度の闇は依然として深刻です。
この事件は、日本の医療保護入院制度が持つ深刻な欠陥を露呈しています。医師一人の判断と家族の同意で本人を強制入院できる仕組みは、誤診や不正な利用を許す土壌となっています。江口さんのケースは、家族間のトラブルを背景に利用され、不当な入院を長期間強いられたものでした。この制度の構造的欠陥を改善するために、少なくとも以下の取り組みが必要です。1つ目に、複数の医師による診断を義務付けること。2つ目に、入院決定プロセスに第三者機関の関与を導入すること。3つ目に、病院の質を担保し、監視体制を強化することです。人権を侵害するシステムが存在し続ける限り、市民は脅威にさらされ続けます。確たる立法改革を通じて、法の下の平等が保証される未来を築くことが必要です。









ネットからのコメント
1、悪意が重複した不幸な例。しかし、家族の勧めにも受診しない統合失調の患者を持つ家族の場合、自傷他害の事態には医療保護入院しかない。善意のシステムが悪用されない法改正を望むが、血を吐き砂を噛むような思いで毎日を送る家族もあるいは犯罪に巻き込まれる第三者を生まないようにするために医療保護入院や措置入院は不可欠な社会の仕組みであると思う。
2、この記事では確かに制度が悪用された形だけど・・・本人が治療を拒否している重篤な精神疾患で、家族が被害を被っていたらやっぱり医療保護入院に頼らざるを得ないと思います。入院する前に医師が自宅に出向いて診断するなどして客観性が担保されればいいのではないでしょうか。本人が拒否するから適切な治療が受けられなくても仕方ないというのであれば、家族等の安全が確保される別の仕組みも必要と考えます。
3、昨日、別の方の医療保護入院についての記事を読んだばかり。その人は元々精神疾患(統合失調症だったはず)があったそうです。本人と娘さんの主張だけでしたので、背景までわからなかったのですが…。
こちらの記事の方がよく取材されていたようで、医療保護入院制度の闇の部分がよくわかりました。なにも病歴がない心身ともに健康な方が、ただ一人長男だけの主張(しかもトラブルあり)で、遠い他県の病院に入れられてしまうって、おかしいでしょう…。本来なら困っている家族のための制度なのに、悪用が簡単に出来てしまうって、恐ろしいです。見直しが必要だと思う。
4、身内が一番厄介ですね 公式に手続きできてしまう長男も思ったより大変なことになったから説得に応じたのだろうか身体拘束って基準に満たなくても実施されてしまうのか報徳会宇都宮病院 がまだ存在していることが恐怖でしかない関東特殊もなぜその遠距離で人の受け答えを見たら話しできたはずなのに負の連鎖というか 元々つながっていたとしたらすごい怖い
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/789268dace7f31ca126cfeb50a009eaf36eca1f9,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]