日本将棋連盟は2025年4月から、妊娠・出産期間とタイトル戦の日程が重なる場合、対局者を変更する新規定を導入します。この規定は、一見すると母体保護の観点からの配慮に見えますが、福間香奈女流六冠や産婦人科医からは疑問の声が上がっています。福間氏は「妊娠・出産」に関するタイトル戦の規定の見直しを求め、連盟に要望書を提出しました。
妊娠中の女性棋士がタイトル戦から除外されることが、女性のみへの不利益を一方的に強いる懸念があります。妊娠の影響は個々によって異なり、環境調整により対局を続けられる場合もあることから、柔軟な制度設計の必要性が叫ばれています。連盟は棋戦全体の公平性を維持しつつ、改定案を検討中です。
この問題は日本将棋連盟が提示した新しい規定によって浮き彫りとなりました。表面的には母体の安全を確保するものであるにせよ、深く掘り下げるとその本質は女性のキャリアに重大な制約を与える構造的欠陥にあることが明白です。働く妊婦が公平に競技に参加できる権利を奪われることは、時代に逆行する対応であり、これが進歩的制度であるとみなすのは間違いです。解決策はまず、妊娠中の棋士が行動の柔軟性を確保できるようサポートを充実させることです。次に、環境調整を通じて個別の健康状態に応じた対局参加の選択肢を提供することが求められます。そして、将棋連盟自体がSRHRの観点を取り入れ、女性のキャリアヴァイタリティと大会の公平性を両立する道を探ることが不可欠です。この議論は単なる規定以上の問題であり、改善がなければ女性の権利を尊重する価値観に大きな疑問が生じるでしょう。
現在の制度が抱える問題を見直し、意義ある進展を期待します。
ネットからのコメント
1、これが将棋ではなく、女子ボクシングだとしたらどうか。妊娠したらタイトルを返上し、出産後にトレーニングを積んで、再チャレンジとなる。将棋も同じで、予定していた日にタイトル戦ができなかったら、タイトルを返上するのが筋では。対戦相手や対戦場所の関係者にとってみれば、日にち変更などしたくないはず。タイトルを自主返上した人は、翌年の優先挑戦権があるとか、復帰を後押しするやり方を工夫するのがよいと思う。
2、この記事を見ると筆者は将棋に関する知見が深く無いように思います。女性側のみにペナルティ、という言及がありますが、福間さんが所属する女流棋士という団体は女性のみで構成されています。そのため基本的には全員(老若はありますが)に妊娠、出産の可能性がある中での判断が必要になります。ジェンダー論で語れば簡単な話と思いますが、上記のような背景により困難な判断が求められるものですので、それを理解の上見解を示すべきと思います。
3、言うは易しで、スポンサー、対局相手、会場準備、その他棋戦とのバッティング回避を考えた時にそう簡単にスケジュール変更はできない。
そう簡単にスケジュール変更できる程度のものにしてしまえば、それこそ女流棋士が仕事として成立しない、そちらの面で両立不可になりかねない。何か対策するとすれば、暫定タイトルホルダーを作って出産明けに統一戦を行うようにするくらいだろうが、しかし両者ともに時期をずらして妊娠となると統一戦の日程が組めないということも起こり得るし、相当に慎重かつ厳密なルール作りが必要となる。そもそも論、タイトル戦に出れなかったとして女流棋士の立場が失われるわけでもないのだから両立論自体が少し飛躍している。もちろんタイトルに挑戦できなくて何のための棋士だという主張もあるだろうが、それだけ大事なタイトルだからこそ安易に仕組みを変更すべきではないと言えるわけでね。
4、これは母体保護の観点から仕方ないのでは?確かに個人差もあるけど、それを許すと無理してでも出たいと思ったり、後々問題が起きたときに非難されるのは連盟でしょう。妊娠、出産は授かりもので、いつどうなるか分かりません。棋士の世界だけではなく、スポーツ界とて同様で、妊娠出走したら競技出産辞退諦めるしかない。
だから、自分が出たい競技日程によっては、妊活を控えるとかしている選手がほとんどでしょう。これをひとりひとりの事情に合わせていたら日程が組めない。みんな、その日にベストコンディションを整えて出てくるんだろうから。確かに出産は女性にしかないから問題になりがちだけど、男性にしても病気なら諦めるしかないし、日程を変えてくれとは無理筋でしょう。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/bfd3f2f14ca0eff3d38376d3e3bc6248820206a4,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]