映画『鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来』は、公開一ヶ月で257億円を超える興行収入を記録し、国内歴代興収4位の大ヒットとなっている。9月12日にアメリカでの公開を控えており、前売り券の売り上げもアニメ映画として過去最高を記録中だ。アクションシーンの量と質、CGの表現方法が高く評価されている一方で、テンポの悪さが指摘されている。
特に頻繁に挟まれるフラッシュバックが映画の流れを中断させるとされ、戦闘シーンの最中の回想がテンポを乱すという評価が海外レビューで目立っている。
大ヒット映画『鬼滅の刃 無限城編』の評価に見る賛否の相克は、作品作りの深刻なメッセージを浮き彫りにしている。一部のレビューサイトが指摘するように、テンポの悪さは一過性の問題ではなく、映画全体の流れを停滞させる深刻な欠陥となり得る。本質的な問題は、観客が求めるスピーディな流れと制作者の意図する深い情感との間に存在する溝であり、バランスの欠如が目に見える形で現れているのだ。これを解決するためには、まず視聴者の期待に応えるスピード感を保ちつつも、フラッシュバックの重要性を再評価し、その使い方を工夫するべきだ。次に、キャラクターの出番にムラがある点を改善し、物語の進行を一貫して視聴者に納得感を与えるものにする必要がある。
また、制作チームはラントタイムの管理を行い、冗長なモノローグを排除することで作品の流れをスムーズにすべきである。映画文化の価値は、その映像と物語を通じて観客をスリリングな体験に巻き込む力にあり、それを痛感する時期が来ている。観客が抱える不満は、映画業界全体の進化の契機となるだろう。
ネットからのコメント
1、かつて映画「新幹線大爆破」(オリジナル版)が海外で公開された時に、パニック映画なのに犯人グループの人間ドラマの部分のテンポが悪い、という意見が多かったので、人間ドラマの部分を少なくして編集した別バージョンを公開したら海外でも評判が良かった、という事があった。しかし、「新幹線大爆破」は、高倉健さんを中心とした犯人グループのドラマがあったからこそ、作品全体のストーリーが引き締まっていたと思う。鬼滅の猗窩座の人間時代の過去シーンも、バトルシーンの合間に挿入されてテンポが悪くはなるけど、猗窩座の人間時代のドラマがあってこそ、猗窩座の存在自体の意味をより理解でき、バトルシーンとのメリハリも際だつので、無限城編では原作通りのこの構成になっている方が、作品全体の意味やメッセージをよく理解できると思う。
2、鬼滅の回想シーンに不満がある人は、もともと鬼滅と相性よくないと思う。鬼滅の真骨頂というべき回相シーン。無理してみる必要はないです。他の回想が少ないアニメや他の作品を見ればいいだけです。リアルサウンドさんも1850万人動員している大ヒット作品にケチをつけても興行収入は一切減りませんけどね。
3、鬼滅はそれぞれの登場人物の想いが戦いに直結してる設定がベースラインにあるので、戦闘→回想→戦闘→回想となってもやむを得ないのかな、、という気もする。正直、私も所々に差し込まれる回想シーンは少し邪魔だと感じましたが、原作を忠実に映像化しているんだと思ったら鬼滅テンポを受け入れられた。鬼滅自体、少々ウェットな世界観で日本人向けのストーリーだと感じていたので、海外でこのアニメが受けてるのがちょっと不思議でしたが、海外のレビューを見たらなんとなく腑に落ちた。日本人が鬼滅を好きな理由と、海外でもヒットした要因は別のところにあるんだな。
4、回想シーンあってのバトルだと思います。あの回想を挟むからこそ、なぜこんな戦いを繰り広げているのかが分かる。
それぞれの持つ背景が戦いに厚みとやむにやまれぬ意義を見出せる。鬼滅は単なるバトル漫画じゃないので、そのシーンを含めて堪能したい…回想シーンの前と後とでは(特に猗窩座)気持ちの入り方が違うのでそこも含めて考えさせられます
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/228dbf8837747b138326af63a2118db4e0c52855,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]