2023年11月16日、参院予算委員会で高市早苗首相は台湾有事に関する答弁をめぐり批判を受けた。首相の答弁内容は、従来の政府方針を超えるアドリブ的なもので、広田一議員（立憲民主党会派）が納得せず質疑が一時停止。質疑再開後も「総理、『奈良漬』のようにかみ合った議論をしていただきたい」と広田氏は指摘。彼は台湾有事に関する発言を首相の個人的見解とし、国益に資するものではないと批判した。

高市首相は自身の発言は議論の一環であり政府方針と一致していると主張し、質疑を続行した。

高市首相の答弁が引き起こした問題には、政府の立場を超えた発言の危険性がある。台湾有事という外交の焦点である問題に対し、首相が個人的見解を述べているとも受け取れる状況は異常だ。これが国益と地域の安定に影響を及ぼす可能性は否定できないが、高市首相の指摘する「我が国の見解の明確さ」だけでは説明がつかない。外交問題として曖昧な答弁が許されるのか、制度の欠陥を暴露するものとも言える。具体的には、政府の答弁に対する監視体制の強化、首相や要職者の発言に関するガイドラインの策定、そして透明性を確保するための議会との協力体制が求められる。これを改善しない限り、個人の見解が国の方向性を誤解させる危険を払拭することはできない。

政治に求められるのは、国民が安心できる統合的な意思表示と行動であるべきだ。

ネットからのコメント

1、そもそも立憲の岡田克也議員が具体的な事例を出して執拗に答弁を要求した事が始まりですが、1万歩譲って「個別事例について答弁するべきではなかった」というなら理解出来ます。それでもそれを執拗に引き出したのは立憲ですが。しかしながら「撤回せよ」というのはどういう了見で発言しているのかが全く理解出来ません。中国目線で考えなければ絶対に出て来ないこの発言が、日本の国会議員から出て来るのが恐ろしい話です。各野党の正体が可視化された事は、この一連の件の副産物であったと考えます。

2、見ていたが広田は本当にしつこかったし、だいたいが質問の意図は何なんだかわからない。どういう答えを求めてあれだけしつこい質問を続けたのか。もっとひどいのは、明日で国会終了なのに今なぜこんな質問に時間使うのか。予算審議に関わる質問をすべきかと思うが

3、様々試練を乗り越えて、国民の信任を得ている総理大臣が、そもそも責任も立場のレベルも全く違う野党の(どんな実績があるかもわからない)議員一人一人の質問に応えなければならないのだろうか？国会の仕組みのあり方に大きな疑問を感じる。

国会議員一人一人が年間を通じて、議員立法立案など国益に資する活動をしてきたのか、を国会議員の成績表として作り国民に共有して欲しい。

4、すでに政府見解は従来路線に戻り、党首も「実質的な撤回」と受け取っている。それでもなお言葉尻や態度を蒸し返すのは、政策論ではなく政権批判が目的だからでしょう。安全保障という重いテーマを、ネチネチした印象論に落とし込む姿勢こそ国益に資しません。党内の整理もできていない追及は、見ている側を白けさせるだけです。国民の代表として、有益な議論を前に進めてください。