政府は年内改定予定の国家安全保障戦略など「安保3文書」において、AIや無人機を活用する「新しい守り方」を掲げ、防衛力強化の理念を刷新する方針を公開しました。背景には、ロシアのウクライナ侵攻や米国の対イラン軍事作戦で見られるような戦争の様相変化があります。技術革新が戦況を決定づける中、日本は長距離攻撃可能な無人機やAI技術の導入を進め、有事の人的消耗を抑えつつ抑止力を維持する構想です。しかし、専守防衛を維持しつつ国民の理解を得る必要があるため、政府は「戦い方」ではなく「守り方」という表現を選びました。

今回の政府の方針は、国家の安全保障を担う計画として重要視されるべきですが、同時に大きな懸念が存在します。
まず、「新しい守り方」という表現は、戦争に備える防衛力強化を必要以上に柔らかく見せる意図がうかがえます。本来、国の防衛戦略に対しては透明性と率直な説明が求められるべきであり、曖昧な表現は国民の判断を妨げる危険があります。
特に専守防衛を掲げつつも、「反撃能力」や「長射程ミサイル」などの攻撃的要素を含む計画を進めるのであれば、矛盾と捉えられる可能性は高く、国際的な誤解も招きかねません。
次に、AIや無人機の導入を推進する一方で、それが社会的倫理や安全保障上のリスクとしてどのように議論されているのかが明らかにされていません。例えば、無人機やAIを用いた戦闘が引き起こす条約違反リスクや倫理的懸念については慎重な検証が欠かせません。
解決策として、まずは国民に開かれた公的な議論の場を設け、事実関係や技術導入の詳細を透明に説明するべきです。また、AI兵器や無人機に関しては、国際的な枠組みや規範の中で責任ある使用を徹底するルールを明文化する必要があります。さらに、専守防衛との整合性を見直し、矛盾を排除した上で計画を策定するべきです。
未来志向を掲げる安全保障政策は歓迎すべきですが、国民に誤解や疑念を抱かせない努力が不可欠です。そのためには、公正で透明な情報公開と十分な議論が求められます。国の守り方を考えることは、国民の統合された理解と共感があってこそです。
それを欠いた防衛政策は独善に陥るリスクを抱えています。
ネットからのコメント
1、防衛力整備は、現実の脅威や戦争の形態の変化に対応するため着実に進める必要がある。AIや無人機の活用は、隊員不足を補いながら抑止力を維持し、人的被害の軽減にもつながる。「新しい守り方」という理念は、専守防衛を堅持しつつ国民の理解を得る工夫として評価できる。一方で、名称の変更だけに終わらせず、導入する能力や運用方針を丁寧に説明し、透明性を確保しながら進めることが重要だと思う。
2、我が国の国民の多くもウクライナやイランやイスラエル、ナゴルノ=カラバフ紛争などの報道で戦争というものの様相が大きく変わり、新しい時代に入ったと感じていることだろう。戦中世代はほぼ鬼籍に入り、これからは我々戦後世代が日本を担うことになるが、もう世界と東アジアの安全保障の危うさから目を逸らすことはできない。新しい戦争をいつ仕掛けられるか分からないと想定してあらゆる準備を進めるべきだと思う、
3、AIやドローンを使った最先端を用いた「新しい戦い方」にはウクライナとの協力が必要でしょうね。
というか、すでにその動きはあるようですが。ドローンに関しては中国が優勢との見方もありますが、実践面ではおそらく中国と技術協力をしているであろうロシアを凌駕していることからもウクライナが最先端を行っていると見ていいでしょう。AIを使った敵を自動認識しての自律飛行システム、光ファイバー誘導ドローンなど実践で鍛え上げられた技術など日本としても是非導入したいもの。AIにおいてもウクライナは膨大な学習データで鍛え上げた最先端の軍事AIモデルを育てていると言われています。そのまま日本のケースに当てはめられないとしても得るものは大きいはず。
4、まず、この政策の方向性は妥当です。そもそも戦争そのものが変貌している。ウクライナ戦争では数十万円のドローンが数十億円の戦車を破壊していて、AIによる標的分析、無人機による偵察がいまや戦場の中心になりつつある。もはや「大量の兵士を集めて正面衝突する戦争」ではない。日本も少子高齢化で自衛官不足が深刻ですから、AI、無人機、自動に力を入れるのは合理的です。
有人機や艦艇だけでは人的にも財政的にも限界がありますから「新しい戦い方を研究する」こと自体は避けて通れません。しかし、日本の課題は「装備」より「意思決定」だと思います。例えば、中国軍が攻撃準備を始めたと判断した段階で攻撃するのかどうか。AIが分析した情報をどこまで信用するのか。有事に誰がいつ撃つと決めるのか。このへん全く議論が無い。日本が遅れているのはAIどうこうではなくて「判断基準が無い」という一点だと思います。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/6d38ec3ec136e6c6437085e02ba2ef14607b5387,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]