山形県遊佐町水上地区(23世帯)では、お盆に家の軒下へミニカーやバス、電車などを吊るす独特な風習「精霊車」がある。目的は、ご先祖さまに速く快適に帰ってきてもらうためで、一般的なナスやキュウリの精霊馬の代わりとなっている。亡くなった親族がいる家庭では3年間、豪華な飾り馬を吊るす習わしもあり、期間中は「おしょれ棚」を設け餅などを供える。
由来は不明だが、古くから受け継がれ、地域の誇りとして大切に守られている。
地域に根付くこの風習は、単なる珍習ではなく、ご先祖を敬う心と生活文化が融合した貴重な営みだ。形式の変化を恐れるあまり否定するのではなく、時代に合わせ柔軟に守り継ぐ道を探すべきだろう。例えば①学校や地域イベントで由来や意味を紹介し、子ども世代に興味を持たせる②SNSや動画で全国に発信し、外部からの理解と応援を得る③ミニカーや棚飾りを地域ブランド化して観光資源と結びつけるなど、文化の持続可能性を高められる。伝統は静的な記念碑ではなく、世代を超えて走り続ける乗り物のようなものだ。この「精霊車」が、未来へと走り続ける姿をぜひ見たい。
ネットからのコメント
1、この風習は、ケンミンショーで見ましたね。仏様の乗って居た乗り物や乗りたかった車を吊るすんですよね。
中には観光バスがありご先祖様が団体で帰って来られるようにとの話も有りましたね。全国各地域の風習は無くなって欲しくないですね。皆同じでは面白くなく見る方も色々あると楽しいですよね。
2、これ、何年か前にテレビで取り上げれていたのをたまたま観て以来、地域は全然違うんだけど、父が生前クルマ大好きだったのでウチでもお盆は精霊馬に替えて、父が乗ってたクルマと同じミニカーを仏壇に飾るようになりました。縁のなかった牛馬よりも、これのほうが父も喜んで帰ってきてくれるだろうなーとか勝手に思いながら、今ではすっかりわが家の風物詩になりました。
3、形式に囚われずエッセンスを理解して現代流にアレンジ。とても素敵だと思う。意味も判らないままだと続けていくのは限界がある。車が一般化している時代なんだから車で帰ってもいい。再解釈によるユーモアが因習的なものを生きた文化に変えていく。仮に霊なんていないと考えたとしても、つるされたミニカーを眺めているとそういう考えも素敵だと思えるかもしれない。新しい世界観は、人生をこの世を素敵にする可能性が秘められている。
こういう風習は廃れないほうが社会の健康が守られるかも。
4、うちは今年新盆で、ナスとキュウリで精霊馬を作りました。母がやっていた様に、お買い物に行くための財布や背負子代わりの団子とそうめん、御赤飯のおにぎりなど、いろいろ用意しました。お財布にはSuicaを添えて。これも時代だなぁと思ってましたが、まさか車とは。まだまだ知らないことがたくさんあってびっくりです。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/6d3e729d4ebf3354086e7cfc5d3bc4b769825164,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]