福間香奈六冠は通算タイトル数史上最多の67を持ち、現在も8タイトルのうち6つを保持するトップ女流棋士である。彼女は長男を出産し、子育てと将棋の両立を希望しているが、今年4月に日本将棋連盟が配布した「女流棋士公式戦 番勝負対局規定」により、出産予定日を基準とした産前6週間から産後8週間までの対局者変更規定に不安を感じている。
福間女流六冠は昨年の妊娠を振り返り、困難さを表明するとともに、連盟に要望を提出した。その要望は大部分が受け入れられず、「第二子を持つことは無理」と絶望的な気持ちになったと述べた。彼女は将棋界の未来を憂慮し、産休・育休について活発な議論を希望している。また、タイトル保持者の地位降格を避ける案や暫定王者制度を提案し、連盟との対立よりも将棋界の発展を望んでいると述べた。

今回の事態に対しては、制度の欠陥が露呈したと言えるでしょう。妊娠や出産は喜ばしいことであるはずなのに、これが制約となるのは異常です。長年にわたり将棋界を支えてきた女性棋士が、出産によってキャリアを危険にさらされる現状は変えるべきです。その背後には制度設計の欠陥があります。まずは、現行の対局規定を見直し、産休中でもタイトル保持者が地位を失わないような保護を確立することが必要です。
次に、暫定制度を導入し、競技者の一時的な不参加をカバーするメカニズムを作るべきです。そして最後に、女性棋士が安心して競技と家庭を両立できるよう、長期計画を策定すべきです。これらによって、女性の権利を尊重し、公平な将棋界を築くことが求められます。制度の問題を放置するのではなく、積極的に改善する道を選ぶことで、将棋界はより力強い未来を迎えることができるでしょう。
ネットからのコメント
1、将棋という競技と妊娠・出産・乳幼児育児とをどうバランスとるかという話だと思います。プロであり競技なのだから試合当日に来られない時点で失格という厳しいルールで運用することも当然考えられますが、それでは福間女流のような懸念、つまり将棋か妊娠かを選択せざるを得なくなります。一方、産休や育休を一般社会レベルまで認めると、対局収入がなくなるのは致し方ないとして、復帰時の立場が課題になります。失陥を防ぐ制度があっても個人的には良いと思いますが、それは結果として現保有者に加えて産休・育休の競技者が並び立つという複雑なことになるかもしれません。
失陥までは認めてスーパーシードとして挑戦者決定戦に登場するなど、復帰時にその立場を考慮するという制度も考えられます。妊娠・出産は本当に素晴らしいことで、社会として尊重されるべきこと、守られるべきことです。バランスのよいシステムになることを望みます。
2、どの競技でも妊娠を理由とした日程変更ってないのが原則だと思うんですよね。団体スポーツなら代わりの選手を出せばいいということになるでしょうし、個人競技でも出れない間にも大会は滞りなく進行していくというのが原則。大会日程の変更というのは多くのスポンサーや競技者に影響を与える事項でそう簡単なことではない。もし対策をするとしたら、ボクシングのように暫定タイトルホルダーを作って後日統一戦を設定するのが現実的でしょうかね。
3、タイトル戦挑戦者の視点に立つと、命と人生賭けて調整の上で対局に望むわけで、妊娠中で今日は体調不良なので休みますっていうのは不戦勝にして欲しいよね。。棋士だって渡辺明九段みたいに体調不良で期間を区切って降格覚悟で休まれるわけで、立場を維持したままにしてくれというのは、少し自分本位に感じてしまう。
羽生案ができただけで御の字では…。一般人でも失うものが多くあるのを理解しながら時期を見て子供を作ります。
4、この問題、女流界の場合は全員が女性なので皆お互い様ってことで妊娠・出産しやすい制度ができてもいいと思うんですが、今後女性の棋士が誕生して万が一タイトル争いに食い込むようになったら棋士界はどうするんだろう?って思います。さすがに棋士界で一棋士のプライベートな問題にスケジュールを合わせろというのは無理があると思いますし、正直なところ見る側のファンとしては妊娠・出産した棋士はおとなしく対局者変更に応じてほしいです。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/82b10c3848d6cad27758b107c5989907be394961,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]