防衛大学校での「学生間指導」という名のもと、上級生から下級生へのいじめ行為が問題視されています。2023年に防衛大に入校した伊藤さん（仮名）は、1年生時に飲酒が発覚したことから過度な指導を受け、不眠や食欲不振に苦しみ、適応障害と診断されました。その後、個室に移されたものの、上級生からの暴言はエスカレートし、最終的に退校に至りました。

過去にも、同様の問題があったことから、防衛大学校は裁判で責任を認められ、賠償を命じられました。最近では、学生長である小堀日輝さんが「学生間指導」を撤廃する方針を示し、改革に取り組む姿勢を見せています。

この事件は一連の制度的な欠陥を浮き彫りにしたもので、徹底的な見直しが必要です。「学生間指導」という名の下での暴行やいじめは、もはや教育の名に値しません。防衛大学校内での上下関係の過度な強化は、部下を持つ自衛官としての指導能力を養うためとされますが、このようなハラスメント行為は何も生みませんし、国の未来を担う若者たちを傷つけるだけです。

解決策として、まず健全な指導の枠組みとその基準を明確化し、暴力行為や精神的虐待の禁止を徹底することが必要です。次に、外部の教育専門家を交えた第三者委員会を設け、学生の声を反映した制度の改革を継続的に行うべきです。また、指導の場にて、上級生と下級生が対等に対話できる環境を整え、他者に対するリスペクトや責任感を醸成することが急務です。これらの取り組みを通して、初めて真の教育機関としての信頼回復が達成されるでしょう。学生たちが安心して学べる環境こそが、日本の未来を守る礎となるべきです。

ネットからのコメント

1、体毛を燃やすなどの行為が144人もの学生に行われていたという話に驚かされました。これまでどれだけ多くの学生が被害に遭ってきたことか。そんな中、上級生が長年にわたる慣習を変えようと葛藤し、試行錯誤する姿を応援したいです。学生自ら声を上げ、改革に取り組もうとする姿勢が素晴らしい。防衛大は、幹部候補生を育成する場です。全ての意識を今すぐ変えるのは難しいかもしれませんが、少しずつでも改革が進むことを願っています。

2、防大でのハラスメント（イジメ）は抑止せねば。理不尽に耐えるため、という理由なら、他にもっと効果的な訓練の仕方がある。幹部教育がこういう実態なら、将来、現場に出た時に組織のハラスメントを抑止できない。ハラスメント抑止は自衛隊だけでなく西側の軍の共通課題であり、義務である（米軍でも厳しく禁止されている）。

3、有事となれば理不尽な事だらけの中で国防に関わる自衛官の方々の中でも特に将来の幹部自衛官を育てる防衛大学。戦場で相手に理不尽な攻撃をされる事があってもイジメられる事はないであろう。

イジメたりイジメに耐えることにより精神や判断が鍛えられる事はあるのか？陸自ならサバイバル系の訓練や海自なら遠泳等、苦しい訓練も国防や自身の生存に関わるためにされている事でしょう。それらと比べてイジメは何も生まないと思う。体毛を燃やして強くなるわけないだろう。

4、まずは、学生長の方の行動に敬意を表します。それにしても、学校の学校長含め幹部連中は何をしているのか。設置者の責任を果たしていないのだと感じます。将来の幹部だからとか、給与を払っているからとか、それが暴力容認にはならない。歪んだ人格形成の拠点なんだと思う。