森田徹さん（仮名・70歳）のケースは、現代の高齢者労働問題を如実に表しています。元は年収800万円で管理職を務めていた彼は、定年後の生活設計に基づき、退職金を使って住宅ローンを返済し、年金での慎ましい暮らしを計画していました。しかし、自宅の修繕費や妻の医療費といった予期しない支出により老後資金は危機に晒されました。生活費を補うため、森田さんは年末年始も休まない警備の仕事に就きますが、若い上司に叱責される日々が続き、劣悪な労働環境に耐えながらも働き続けています。

森田徹さんの状況は、単なる個人の問題に留まらず、社会全体が抱える現実の側面を映し出しています。まず、多くの高齢者が定年後も経済的に逼迫し、選択肢が限られる中で厳しい職場環境に飛び込まざるを得ないという現象があります。この背後には、高齢者が再就職で直面する選択肢の少なさ、派遣や臨時雇用という不安定な働き方が主流となっている現実があります。こうした状況を改善するためには、以下の具体策が考えられます。まず、高齢者雇用に特化した職業訓練プログラムの増設が必要です。次に、企業に対して高齢者を積極的に雇用するインセンティブを設けることです。そして、年金制度を再検討し、より現実的で持続可能な支援策を講ずることが求められます。こうした取り組みがなされなければ、「人生100年時代」は単なる夢物語に終わり、高齢者が自立し尊厳を持って生活できる社会は遠のいてしまうでしょう。

私たちは、この問題に対して無関心ではいられません。

ネットからのコメント

1、施設警備の仕事をしています。2交代で年収200万円くらいで安いです。60歳以上だと介護か運送の仕事くらいしかなくて安くてきつい仕事ばかりです。後は人脈とスキルを生かして自営業するしかありません。年収が少ないのは現役時代に技能をつけなかった報いですから仕方ないでしょうね。

2、警備の方は本当に高齢の方が多いですね。不足してますし。　また介護の運転手などみると、送迎されている方より年上なのではと思う方もいます。　60歳で退職して64歳になりますが、60代からの体の衰えは50代の頃と違うと感じてます。　勤務していた頃、職場には再任用や嘱託の方々で60代、70代の方々も大勢いました。　事故を起こされる方も多かったり、病気で倒れる方も多かったです。　先輩の方々から自由を満喫出来る60代のために若い頃から55歳くらいで退職できる準備を進めないと後悔するよって何人からも言われました。　この方の場合、住宅ローンの返済が遅すぎる、家の修繕も現役中に、病気を備える保険や投資等と当たり前に想定内として考えておくべき事が多かったのではないでしょうか。

3、今70歳だと30年前は40歳で「失われた30年」の時期に責任ある世代だったということですね。就職氷河期世代はこの世代の人たちの雇用を守るために門戸を閉ざされたので、氷河期世代で世代形成の力が弱くなったツケが回ってきたのでしょう。自分たちを支える世代を切り捨ててきたんだから、自分たちで頑張って働き続けるしかないでしょうね。

4、警備員してます。一回り以上上の６０代後半の方も入ってきます。皆ではないですが会社で役職してた方は、昔は良かったとか武勇伝的な話をされます。記事にもありましたが、年齢はどの世界も関係ないですが、見下して言う方はいますよ。