高齢者の介護問題を考える契機となるこの出来事は、2023年8月上旬に東京都内で発生しました。要介護2の認定を受けていた78歳の浩一さん(仮名)は息子・拓也さん(仮名・45歳)によって特別養護老人ホームに入所しました。入所からわずか3日後の電話で、浩一さんは孤独と不安を訴え、面会を訪れた拓也さんは父が無言で虚ろな目をしている姿を目の当たりにしました。
施設は物理的なケアを提供していたものの、精神的なサポートが不十分で、職員の会話も機械的であることが原因でした。その後、拓也さんは父の希望通り施設を一時的に退所させ、自宅でサポートを受けながらデイサービスに通う形に変更しました。

この状況は、入所者の精神的ケアの重要性を再認識させます。介護施設が安全で快適だと信じたいのは当然ですが、現実は異なります。職員が最低限の仕事に徹し、感情を交えた対話をほぼ行わない結果、入所者は孤独に苛まれます。このシステムの欠陥は、スタッフのトレーニング不足や制度的な無理解に起因すると考えられます。まず、入所者との積極的な関わりを奨励する職員教育が必須です。また、高齢者が精神的交流を持てるデイサービスや地域のボランティアとの連携を強化すべきです。さらに、家族がより頻繁に訪問し、入所者と対話する機会を増やすことも解決策の一つです。
「心の安心」は機械的な安全とは異なるという認識を普及させることが、今後の介護制度の改革に不可欠でしょう。結果として、「物」ではなく「心」のケアに重点を置くことが、高齢者の豊かな時間を保障する、真の安心を提供するのです。
ネットからのコメント
1、今は亡き父が中程度の認知症でした。糖尿病で自宅で低血糖を起こして意識を失い救急搬送され、初めてかかる病院に入院しました。コロナ禍の真っ最中で、お見舞いも叶わず、父もパニック状態で1日に何度も電話してきて「どうして顔を出さないのか?」「迎えに来て欲しい」と繰り返し言われました。時間の経過とともに懇願レベルになり、私も何度も泣きました。話しても理解してもらえない辛さと、父の孤独や不安も理解出来る辛さ、たくさんの悲しみがありました。施設ではありませんが、病院にいれば大丈夫、というものではありません。家族の葛藤は終わりませんね。
2、介護士してますけど、本当に例えば重度であっても在宅から入所は慣れるまで辛そうですよ。慣れない集団生活、見ず知らずの職員にワケのわからぬ他利用者、まぁ…辛いしかないでしょう。
これが他施設とか病院からならそれなりに慣れてますから馴染むのも早いですねー。特に病院からなら介護の関わりで見張るような変化をする方のが多いかも。在宅ならデイケアやデイサービス、ショートステイとか段階踏んだほうが無難。そこを飛ばすと件の如くなりやすい。あと、あまり希望理想高めに持つと互いにシンドいかも。働く側としちゃ能う限り〜とはやってますが、家ではこうしてたからと細かく圧してくる家族いるんだけど、お安く便利ににはそれなりに我慢も必要ですよ。クレーマー認定なら最終的に他所を勧めますって話になりますから。今は施設側も我慢しません。でないと働く人が辞めてしまうから。
3、まず要介護2でも条件によっては特養に入所することは可能です。確かに老人ホーム等に入所すると独り暮らしよりは安全が確保できると思います。か、それで終わりではないという話です。うちの父も最後は要介護4で車椅子でしたが施設にはほぼ毎日通い、食事を共にしたり晩酌の世話をしたり話し相手をして過ごしました。預けっぱなしはやはり精神的に良くないです。
4、施設に入ると、家族の介護は終了のような感覚になりますが、実際は家族も施設での介護に加わって欲しいです。施設内の介護はもちろん介護士がしますが、家族の住む所にもよりますが、近くて来れるなら面会の頻度をあげて、外出が可能なら一緒にしてあげて欲しいです。介護士の寄り添いも限界があります。もちろん家族の休息も大事ですが。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/30fc369aafb677d1532fda07aeeda96306918c17,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]