オーストラリアのアルバニージー首相は2025年8月11日に記者会見を開き、パレスチナを国家として承認する方針を表明した。これにより、オーストラリアはフランス、英国、カナダなどに追随する形となった。首相は中東情勢において、イスラエルとパレスチナの共存を目指す「2国家解決」を再度支持するとともに、パレスチナ自治区ガザでの紛争で増加する民間人犠牲者や人道支援の滞りに対する懸念を示した。
さらに、首相はイスラム組織ハマスに関して、「パレスチナ国家では役割がない」と明言した。
オーストラリアの新たな方針は、国際社会におけるパレスチナ国家承認の動きに加わるものであり、中東地域の安定に向けた一歩となる可能性がある。しかし、国際政治や地域情勢の複雑さが背景にあるため、実現には慎重な対応が求められる。
コメント:アルバニージー首相がパレスチナを国家として承認するという方針を表明した背景には、ガザ地区での人道的危機や民間人犠牲者の増加、そして国際社会の圧力があることは間違いない。しかし、この決定は単なる象徴的な意味を超え、現実の平和実現にどれほど貢献するのかは未知数だ。特に、ハマスを国家運営に関与させないという立場は、パレスチナ内での政治的な対立を深める可能性がある。今後、オーストラリアが提案する「2国家解決」が本当に実現するためには、両国間の深い信頼と国際的な協力が不可欠だろう。
解決策としては、まずイスラエルとパレスチナ間の対話を再開させ、国際的な監視機構を設置し、第三者による平和的調停を強化することが必要だ。
ネットからのコメント
1、個人的な意見としては、一刻も早く日本もパレスチナ国家承認の意思を示すべき時が来ていると考えます。とはいえ、日本政府もかなり微妙な立ち位置である事は間違いありません。両国に直接的な利害関係が存在しない日本は、オスロ同意において大きな役割を果たしましたが、これはあくまでもイスラエルにもパレスチナにも与せず、2国間解決を先行すべきであるという前提のもとに行われた同意であることから、これを日本が投げ捨てることにはかなりの躊躇があります。それでも、英仏が「オスロ合意が履行されない以上、まず目の前にある人道危機をどうにかすることを先行させる」という判断をしたのですから、日本はこれに追従すべきです。ちなみにこの問題に関しては皆さんが言うほど日本はアメリカの顔色を伺っている訳ではないと思いますよ。
2、「パレスチナ国家承認」は、直接的な制裁効果こそありませんが、「イスラエルの行為を支持しない」という明確な政治的意思表明であり、アメリカの意向に反して行動するという象徴的意味は極めて大きいと言えます。
特に、英仏が条件付きであれ承認を明言すれば、常任理事国で承認しないのはアメリカだけとなります。この事実の重みは決して小さくありません。また、ハマスの武装解除などの条件が付されている点を問題視する意見もありますが、国家承認はあくまでその国の「政治的存在」を認める行為であり、その条件に過度に焦点を当てる必要はないと考えます。そもそも正当な主権国家としてのパレスチナ国家ができれば、ハマスのような武装勢力の存在は不要になりますし。なお、イスラエルの国連加盟時にも、国連憲章の遵守とともに「二国家の存在」や「難民帰還の権利の尊重」が条件とされていましたが、現状はご承知のとおりです。
3、もともと、パレスチナが国家承認するオスロ合意に至ったのも、日本の働きかけがあったのにも関わらず、率先して国家承認にするようにいえないのは恥ずかしい。 日本は昔から外交下手だが、昭和よりアメリカいいなり、国際的に日本としての方針を言えなくなっている。アメリカに対する80兆円以上の投資もそうだが、政治家の外交がほとんど機能していない。
4、西側諸国はこれまでイスラエルやユダヤロビーに配慮してパレスチナを国家ではなく、あくまで自治区としてきました。そのためパレスチナはどれだけ虐げられようとも抵抗できず、たまに抵抗すればテロリストと弾圧されてきました。パレスチナが主権国家となることで、その領土、国民を正当に外敵から守るために行動できるようになります。またイスラエルは他国へ侵略し土地を奪うならず者国家になります。(すでにレバノンやシリアで違法に進駐していますが)日本はいつまでアメリカに顔色を伺う自主性のない外交姿勢なのでしょうか。東南アジアや南米などグローバルサウスはパレスチナに同情的であり、政治的経済的にグローバルサウスを重視するならイスラエルへの忖度はもはや切り捨てるべきだと思います。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/fcce967ba5fd831b62015e5b58d66f22ca03ecf8,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]