事件概要:兵庫県の夫婦が「無精子症」の診断を受け、子どもを持つために第三者からの精子提供を受ける決断をした。夫は1年間の不妊治療後に無精子症が判明し、妻はどうしても「自分で産みたい」という思いが強く、第三者の精子提供を選択。約80年前に始まった非配偶者間人工授精(AID)は、現在でも限定的に行われているが、匿名提供者の情報開示が進まず、法整備の遅れが問題視されている。
夫婦は無事に妊娠し、第一子を迎えたが、出自を知る権利の問題には引き続き注目している。
コメント:このケースにおける最大の問題は、法律と制度が社会のニーズに追いついていないことです。生殖補助医療を求める人々は増加し続けており、それに伴い適切な法整備が求められています。しかし、日本では依然として提供者の匿名性が保たれ、子どもが成人後に自分の出自を知る権利が保障されていません。このような状況では、子どもが自分のルーツを知りたいと思ったときに、情報が提供されないという重大な問題が残ります。
まず、法律でドナー情報を提供者の同意に基づいて開示することを義務づけるべきです。第二に、出自を知る権利を守るために、子どもが成人後にドナー情報を求めた場合、その情報が正確に伝えられるような仕組みを構築する必要があります。第三に、生殖補助医療を行うクリニックに対する国の認定と監視体制を強化し、提供者選定の透明性を高めるべきです。
このままでは、医療の進歩が社会的な制度と乖離し、出生した子どもたちに不平等を強いることになりかねません。人々が大切にすべき価値観は、透明性と公平さであり、それを実現するためには、政治的な意志と実行力が必要です。
ネットからのコメント
1、知らせない前提で、医学の発展のために,精子を提供する医学生。無言の圧力もあるだろう。それを、何年も経ってから、「子供の」知る権利を振りかざして掘り返すのは、いかがなものかと思う。言うならば親の勝手で作って、その時は知らされないことを納得しておいて、いざ子供が生まれたらそれを縦に,知る権利を主張してくるのはおかしいのではないか。気持ちはわかるが、そこは当初の取り決めは守られなくてはならない。知り合いに、この方法で出産した人がいるが、K大学まで行って、そこに行けばそこの医学生の精子だと分かって行ったといっていた。夫よりも優秀な遺伝子が得られて嬉しい,子供がきっと賢くなるから楽しみだ、と言っていて,恐ろしいとおもった。そう言う人ばかりではないと思うが,打算で動く人もいる。
そう言う人に、善意の人がリスクに晒されるのは反対だ。
2、生殖補助医療が進化する今、血の繋がりを超えた「家族のかたち」が確実に広がっている。夫が無精子症でも「自分で産みたい」と願った妻と、「精子提供で生まれても、僕は僕だ」と言える子ども。その絆には、遺伝子以上の深い覚悟と愛情が込められている。血の繋がりよりも、「私たちの子」と信じられる心こそが、家族を成立させる力なのだ。
3、子供自身の父親が誰か分からないって倫理的な問題もあるけど、将来的に遺伝病などが出てきた時にリスクがありそう。糖尿病や高血圧、ガンなど遺伝的な要素がある疾患って結構あるし、もっと重大な遺伝子疾患もある。早くに知っていたからこそ出来る対応もある。万が一があっても、第三者からの精子提供が原因だ!とはならないとは思うけど、子どもの将来的な健康を考えた上で提供者を選ぶ必要はありそう。
4、旦那もTESE受ける覚悟があったなら、最初不妊治療開始の時に検査を受けるべきだよね。どうしても不妊って女性側に問題があると潜在的に思われがちで、不妊治療ですとなったら、ママになるためがんばりましょうと言われる。
でも男性不妊だって多いんだ。ここは男女平等にならないといつまで経っても子どもに恵まれない不幸な夫婦が生まれてしまう。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/798e1d8124dd104c2dbbe075509af9566e8e4da6,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]