日本では高齢者一人当たりの医療費がOECD諸国の中で最も高いにもかかわらず、依然として「老人に優しい国」とは認識されていません。特に、高齢者の延命治療に対する取り組みが問題視されています。例えば、スウェーデンでは80歳以上の患者に対して延命治療を控える一方で、日本では高齢者に対して過剰な延命措置が取られる傾向があります。
これにより、寝たきり状態で生き延びる高齢者が増え、施設での医療資源が無駄に消費されています。医療費の無駄遣いや倫理的な問題も浮き彫りになっており、延命治療の必要性やそれに伴う医療資源の使い方について社会全体で再考が求められています。
高齢者医療に関する議論は社会全体で深刻に考えるべき課題です。延命治療を過剰に施す現状は、医療費の無駄遣いだけでなく、高齢者自身の尊厳や生活の質を無視している面があります。この制度の欠陥は、医療現場だけでなく、社会全体に負担をかける原因となっているのです。
問題の本質は、治療の選択肢に関して家族の感情が優先されるあまり、患者本人の意向や生活の質を考慮しない点にあります。治療が進めば進むほど、寝たきりの状態が長引き、最終的には医療資源の無駄となることも少なくありません。
このような状況を改善するためには、以下のような解決策が求められます。
高齢者向けの医療における意思決定を、事前に家族と共に行い、治療方針を明確にしておくこと。延命治療の選択肢に関する教育を医師と家族に対して強化し、必要な情報を提供すること。高齢者医療における「尊厳死」の選択肢を広げ、無駄な延命治療を避けるための制度を整備すること。これらを実行することにより、高齢者医療の質が向上し、医療資源が有効に活用されることが期待されます。最も重要なのは、命を無理に延ばすことが必ずしも最良の選択ではないという価値観を共有し、社会全体で変革を進めることです。
ネットからのコメント
1、みんな思ってることを口に出さないのが日本人の特徴。本当は延命治療なんて必要無いと思っていてもそんなことを発言すると、酷い人間だと言われかねない。しかし、私も自然に反して長生きさせることは本人にとって苦痛でしかないと思う。自分で延命治療をしてほしくないと意思表示できる高齢者はいいと思うが、たいていは認知症だったり、意識なくなった高齢者家族が病院に頼む。
若いうちから延命治療を望むか望まないかを、決めておくのを義務付けておくなど、日本の高齢者医療にメスを入れないと医療費は破綻すると思う。
2、昔、脳神経外科で働いていた時の診療部長は胃瘻は延命治療だとの考えの方で、脳の病気で意識がきちんと回復せず、飲み込みが難しい患者は、家族に胃瘻は延命になりますが希望しますか?ときちんと説明していました。大半の家族は、胃瘻を希望せず、そのまま点滴だけで看取っていました。自分はめちゃくちゃいい医者だな、って思ってました。70歳以上の方が病気になっても、病名は全部老衰でいいんじゃないですか?ほとんどの病気が老化が原因で起こりますし。
3、祖母が脳内出血の末に、寝たきりしゃべれなくなり(病院内で脳内出血したので)そのまま長期療養型の階へ移されたが口からモノが食べられず、胃瘻で見舞いに行っても誰だかわからない様子。両親は延命治療を止める訳にはいかず、7年ほどお金をかけることにもなったが祖母本人も病院内でずっと一人で幸せを感じられたとは思えなかった。故に、自分も生前に意思表示を子供や親族にしておくことが大事だと思った。
4、2ヶ月前に母を看取りました。認知症で97歳でした。主人の介護もあり、お世話しきれず2年前にホームにお願いしました。今年になってから、インフルエンザや胃腸炎を引き金に食事が、徐々に取れなくなりました。やはり、食べれなくなってどんどん痩せていく母を見るのは辛かったです。けれども、今点滴をしても、栄養の吸収は、あまり期待できずかえってむくみなど、本人に辛いことになるかもしれないと聞き、母が少しでも食べれそうな好きなものをスプーンで口にいれてあげました。最後1ヶ月は、水分もあまり取れなくなり、体重も20Kg台になり、スポイトなどで、口に補給しました。最後1ヶ月はほぼ毎日通い、いろいろ迷いもありましたが、これで良かったと、今は、思えています。穏やかな老衰です、と亡くなった時の医師がおっしゃいました。特養の方達に感謝しかありません。ご参考になればと、初めて投稿しました。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/8f1de16d4d1b5b8d4ce66465c015cde59e09ec8a,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]