2023年10月16日、ニューヨーク・タイムズは米ロ首脳会談後にアメリカのトランプ大統領がヨーロッパの首脳らに、ウクライナが東部ドネツク州とルハンシク州をロシアに引き渡せば和平合意が可能だとの考えを示したと報じました。プーチン大統領は見返りとして、ウクライナの残りの地域で停戦し、再び攻撃しないと書面で約束することを提示しています。
ウクライナのゼレンスキー大統領は18日にワシントンを訪れ、停戦を優先する立場ですが、難しい判断を迫られる可能性が指摘されています。また、トランプ氏はアメリカがウクライナに「安全の保証」を提供することに前向きであり、ヨーロッパが主導する平和維持部隊を支援する可能性を示唆しましたが、アメリカ軍の駐留に関しては言及していません。
ウクライナの領土の一部引き渡しを和平の代償とする提案は、領土と国民の主権を軽視したものであり、政治的な異常感を感じざるを得ません。この提案の背景には、軍事力の行使による紛争解決を優先する国際政治の歪みがあります。現在の世界において、領土と主権の尊重こそが国際関係の基礎であり、このような提案はそれに反するものです。ウクライナの安全を保証するためには、国際社会が軍事力ではなく、外交交渉を通じて解決策を模索することが必要です。
具体策として、国際的な調停による合意形成、EUとNATOによるさらなる支援、地域紛争解決に向けた対話の促進が挙げられます。領土での妥協は短期的な和平をもたらすかもしれませんが、長期的には不安定を招くだけです。領土の引き渡しを前提とした和平ではなく、持続可能な平和構築を目指すべきです。
ネットからのコメント
1、停戦など束の間の気休めにしかならないことはウクライナ国民が一番知っている。また数年経って3度目の侵攻が起こる。2014年のクリミア半島の奪取が鮮やかに成功したものだから、2度目侵攻では初期にウクライナを舐めすぎて首都キーウに強行着陸しようとしたスペツナズの精鋭部隊を始め多くの人員と戦力を消耗したが、ここで停戦して兵站を回復されしっかり準備期間を設けられると、3度目の侵攻では国土全てを奪われる。停戦するならNATOが駐留など抑止力とセットにしないとだめだ。
2、そもそも今回の戦争も、最初は「軍事訓練で戦争の意図は無い」と公言しながら、それが「ロシア人保護を目的とした軍事作戦」に変わって侵攻を開始し、真っ先に東部と直接関係ない首都キエフを狙って、明らかに「ウクライナ占領」を目的とした攻撃を仕掛けて来たのがロシア。
仮に和平が実現しても、数年(数ヶ月?)後に難癖を付けて合意を破棄して最侵攻してくると見るのが必然で、そこはプーチン氏がいくら確約をサインしても俄に信じられる話ではない。それを防ぐには、最侵攻した際はNATOが本格参戦する位の強い抑止が必要なので、米国含め西側諸国が安全保障について、どこまで踏み込めるかが今後の鍵でしょう。
3、トランプが言うように東部2州を引き渡してもプーチンが和平合意を履行する確約など信用できる保証など何処にあるというのか? ある程度間を置いてから再度侵攻する可能性のほうが高いのではないか? それにウクライナが領土割譲を容認するとは現段階では希薄だ
4、ドネツクとルハンスクにはロシア系住民が多く済み、FSBの工作でロシア人を入植させて勝手に共和国を名乗ったくらいだから、当初から争いの絶えない地域、ゼレンスキーが無理すれば承諾もありうるだろうが、そうすればクリミアを含めて、ウクライナのダメージは大きい。特にドネツクルハンスクはウクライナ再建に必要な鉱物資源の豊富な地域といえよう。しかも、現在ロシア占領中の黒海に面したヘルソンやザポリージャの沿岸沿いも失う可能性も大きい。
今ここで妥協よりも、アメリカがロシア制裁を強力に実行し、ウクライナがこれら占領地域を奪還する方が先ということになろう。ロシアが戦況不利にならない限り、ウクライナ一方的損失では停戦はかなり難しいといえよう。国民の納得も厳しくものとなろう
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/ee573bd4686fdcce46c4b2d1310cb0ef6ba73060,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]