千里中央駅は、新大阪駅からわずか15分の距離にある、大阪メトロ御堂筋線の終着駅として1970年の大阪万博に合わせて開設され、半世紀以上にわたり北摂地域の中心的な存在でした。一方、駅前のランドマークとして1972年に開業した商業施設「千里セルシー」は、かつて120以上のテナントやイベントスペースを誇り、多くの著名アーティストがパフォーマンスを披露するなど賑わいを見せていました。
しかし、高齢化と周辺施設の競合による衰退、老朽化を理由に2019年に閉鎖され、現在廃墟として存在しています。2024年春には北大阪急行の延伸により箕面萱野駅が終着駅となり、千里中央駅はその役割を終える予定。同駅の変遷は昭和のニュータウンが「オールドタウン」へと変化していく歴史を象徴しています。
千里中央駅と千里セルシーの没落は、単なる地域変遷だけでなく社会的課題を映した鏡とも言えます。日本の多くのニュータウンが、その時代の住宅需要を満たし、都市化の象徴として成功を収める一方、住民の高齢化問題や新陳代謝の停滞を招いたことは痛烈な教訓です。特に千里セルシーが廃墟化に至った背景には、ららぽーとEXPOCITYなど、モータリゼーション時代に相応しい施設への消費者の移動や、老朽化への明確な対応の欠如がありました。
ここで問題となるのは、一度栄光を築いた施設や街区を未来の需要に適応させる仕組みの欠如です。解決策としては、以下を提案します。まず、一つ目として老朽化した商業施設の再生プランを立案し、現代のニーズに合わせた多機能拠点化を図ること。例えば、住民の高齢化に対応する医療・介護施設を併設し、地元需要を活性化させる。二つ目として、地元の文化資源を活かした地域ブランドの構築と観光活性化。三つ目として、賃貸やインキュベーション施設を導入し、新規に住民や事業が参入しやすい環境を整備するべきです。
千里ニュータウンの盛衰は、時代との適応力を失えば、どれほど成功した都市計画も衰退に抗えないことを示しています。過去を象徴する「落日のターミナル」は、この失敗を未来への教訓として提供しているのです。
ネットからのコメント
1、「千里中央駅、近くに住まいや職場があるわけでもない限り、まず訪れる機会はないだろう」って、勝手に決めつけられても。大阪市民だったとき、別に「近くに住まいや職場」はないけど、そこそこ千中に行きました。ニュータウン住民の高齢化は、千里だけでなく泉北でも多摩でも起きている現象です。
ことさら千里中央が寂れてしまったように表現するのはいかがなものかと思います。
2、メディアに携わるものはセンセーショナルな表現を控え、事実を正確に伝えることが求められるとするならば、この記事は失格もいいとこ。そもそも「終着駅でなくなった」と「消えた」は同義ではないし、千里セルシーも廃墟化したのではなく、営業終了し解体再開発まで閉鎖しているだけで放置されているわけではない。そこの情報をちゃんと入れずに「寂れた街」ということをことさらに強調するのは悪意のあるなし関係なく姿勢として間違っている。
3、千里中央駅周辺の商業施設は老朽化で再開発中ですし、千里ニュータウンには、古い団地がまだ残っているので、部分的には寂れた町に見えるところもあるでしょう。しかしながら、千里ニュータウンを含めた豊中市・吹田市の北部や箕面市は、関西では、芦屋や西宮に並ぶ住環境のよい地域です。当然人気のエリアです。千里ニュータウン内では、新しいマンションやURが次々と建設されていますし、千里中央駅周辺は再開発が終れば甦るでしょう。この記事を書いた人は、自分で現地へ行ってしっかり取材したつもりでしょうが、全くもって内容が浅いです。
これを読んだ人に、千里中央や千里ニュータウンの誤った印象を与えかねません。このレベルの取材力で本を出そうなんて、図々しいというか。
4、この記事書いた人は東京の人ですよね。ちゃんとわかって記事書いていませんね。セルシーの跡地は近いうちに大規模開発される予定ですよ。それとオールドタウンと言うのもハズレです。千里中央駅近くは昔からあった探知様式の建物を取り壊して大規模マンションなどに建て替わってきています。そこには比較的裕福な若い世代の人達が移り住んで来ていてニュータウンの人口も何年か前から増加傾向です。終着駅では無くなりましたが今でも大阪モノレールとの結節点ですし廃墟だと揶揄されていますがそのセルシーだけでは無く千里阪急(百貨店)や千里阪急ホテルなども含めた大規模再開発が行われるところの何処が「落日」なのでしょうか?東京から眺めるだけでまともに取材もせずに一つの街を上から目線で貶める様な記事をと書くのは本当にやめてほしい。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/2f9d8ac204a21db57945c13eb619abea26354272,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]