駿台予備学校を運営する駿河台学園(東京)は8月1日、令和8年度大学入試から合格者数の公表を取りやめると発表した。受験生の多くが複数の塾や予備校を併用しており、1機関ごとの数値に意味がないと判断したためだ。東大合格者数など主要予備校の合計が実際の合格者数を大きく上回る現状も背景にある。駿台は「指標としての意義は理解しているが、形骸化した数値公表をやめ、幅広い受験生に寄り添う教育を続ける」と説明した。
受験産業が誇示してきた「合格者数競争」の実態がついに限界を迎えた。複数予備校に籍を置く生徒を重複計上し、あたかも実績を膨らませるかのような数字遊びがまかり通ってきた現状は異常だ。本質は、教育機関が数字を宣伝材料として利用し、受験生と保護者の不安心理を煽ってきた構造にある。解決には、①業界全体での合格者数公表の基準統一、②重複計上の禁止と第三者による監査、③数値より教育内容やサポートの質を示す評価軸の整備が必要だ。教育とは本来、数字ではなく個人の成長を支える営みである。虚飾の数字に頼る時代を終わらせる一歩として、今回の決断は重い意味を持つ。
ネットからのコメント
1、近年、受験生の多くが複数の塾や予備校を併用しており、一つの教育機関における合格実績の集計は実態を反映していないとの指摘がある。
そうした中で、駿台が大学合格者数の発表を取りやめたことには一定の意味があると考えられる。実績発表がマーケティング色を強める中、駿台の判断は誠実さを示すものと受け取られる可能性が高い。たとえ今後、合格者数の公表をやめたとしても、長年にわたる実績と信頼、講師や教材の質に対する評価は簡単には揺らがないだろう。むしろ数字に頼らず本質的な教育力で勝負する姿勢として、一定の支持を集めるのではないか。教育の本質を見据えた動きと言える。
2、確かに塾の掛け持ちしてる人もいるもんね。在籍している人が受かれば「うちの塾生から◯◯大学合格者が出ました!」って言えるけど、より正確な情報を発信しようとする姿勢が好印象。そして何より、>難関大だけでなく、それ以外の大学を目指す受験生に寄り添う教育機関であり続けるとしている。この一文が良かった。受験生1人1人にそれぞれの目標がある。大学名だけじゃなく、努力する人に寄り添うってのが素晴らしいと思う。
3、合格者の内訳が本科生だけなのか夏季講習や冬季講習だけの者も含めてるのか数字だけ見てもわからない。
それに、合格者の裏には大量の不合格者もいるわけで、その予備校には一体何人在籍してて何人合格してるのかが全くわからない世界になっている。
4、映像コンテンツ視聴による受験生の合格実績をアピールする東進ハイスクールとは一線を画したいということだろう。一方で教育産業として、その成果をどのように開示するかは重要。過去の伝統や口コミだけで評価が維持できるのかなど課題もある。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/18ce50737d1c224b93a5782dc81904c703ff8723,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]