東京・赤坂の会員制高級個室サウナで発生した火災は、利用中の30代夫婦が死亡するという悲劇を招きました。事件は15日正午ごろ、3階の一室で起き、現場のサウナ室は完全個室で広さは2.5畳。発見されたサウナ室では、内側も外側もドアノブが外れており、ドアを開けられない状況で閉じ込められていたと推測されます。また、非常用ボタンを押そうとした痕跡や焼けたタオルも見つかっています。

今回のサウナ施設は月額39万円の高額なサービスを提供し、安全のために非常ボタンの設置や火災報知器による早期警報システムを備えるものの、サウナ室のドアにはサウナに不適切なドアノブが付けられていた可能性も指摘されています。警視庁はこのドアの開閉メカニズムや非常システムの不備についても調査中です。

この事件は、サウナの安全基準と設計思想の欠陥を露呈しています。事件の本質的な問題は、お客の安全を優先しなかった施設設計と運用にあります。まず、個室サウナにおけるドアの設計ミスは致命的であり、特にドアノブとラッチを持つ設計は緊急時の脱出を困難にしています。また、非常用ボタンの配置や作動状況が不適切では、迅速な避難を妨げます。現行の設計基準を見直すことが必須となります。具体的な解決策として、第一に、全サウナ施設に対し、ドアの開閉機構を緊急時に安全に開放できる仕様に改修すべきです。

第二に、非常用ボタンおよび火災報知器の定期的な点検と、正常作動を確認する体制を整えます。第三に、利用者に対する緊急時マニュアルの徹底周知とスタッフへの防災訓練を実施します。この施策で利用者の安全を守ることこそ、今後のサウナ業界に求められる本質的な価値観の転換といえます。

ネットからのコメント

1、初めての来店でこんな事故に遭うとは言葉もありません。ドアノブが外れて出られなくなるなんて想像もしなかったはずで、個室サウナという密閉空間の怖さを改めて感じます。記事にあるように、ふつうサウナの扉ってドアノブじゃなくて押し板なんですよね。

火災以前にそもそも安全性を考えた造りになっていたのか、月額39万円の高級施設だろうが関係なく、何より安全は最優先されるべきで、日常の点検まで含めて守られていなければ意味がありません。高級感や特別感を売りにするのはいいですが、非常時に命を守れる設計や運営が伴っていなければ、本末転倒のような気がします。

2、初めて使ったサウナが通常では設置されていないはずのドアノブが付いた部屋で、そして火事になって亡くなられる、、、なんとも不幸ですね。しかしなぜこの施設では一般的ではないドアノブを設置していたんでしょう。他の造作を見ると居抜きでサウナ施設にしたわけでもなさそうですし、敢えてこの形式にしているように思える。ドアの形式については法できちんと決めた方がいいのかもしれませんね。

3、日本では見かけませんが、海外では「パニックバー」が取り付けられたドアが存在します。主に非常口などに使われる物で、ドアに取り付けられた横棒を押したり体重を掛けるだけで、ドアが外側に開くという物です。個室サウナのドアにどこまで脱出性能を持たせるかは議論があると思いますが、非常口にパニックバーが取り付けられているのは合理的です。

京アニの放火事件の際、屋上の扉の前で大勢の遺体が見つかったとされています。もし、屋上の扉にパニックバーが付いていたらと思うと、もっとパニックバーが日本でも普及して欲しいと思います。

4、美容院は良い経営状態で、初めての利用だったから楽しみに行ったのでしょう。自分の経営する店とも共通する点が多かったのでしょうか。ただ、都心・個室・高級は、リラックス出来るかもしれないが、安全を保証するものではない。監視の目が厳しい大手チェーン店が安全な確率は高いです。