日本は海外と比較して刑罰が軽いとされることから、重罪事件や危険運転による死亡事故の判決に対し、厳罰化を求める声が上がっています。特に殺人や性犯罪のケースでは、加害者が早期に社会復帰する現状に対する不満が多く、刑罰が被害の重大性に見合っていないとの批判があります。近年、飲酒運転や性犯罪に対する量刑の見直しが進んでおり、被害者の尊厳を重視する方向へ変化が見られるものの、犯罪心理学における研究では刑罰の厳しさそのものが犯罪抑止に大きな効果を持たないことが示されています。

厳罰化施策はコスト面でも課題を抱えており、効果が薄いため非効率とされています。

日本の刑罰が軽いとされる批判は、真剣に考える必要があります。社会全体の安全性を向上させ、司法制度への信頼を確保するためには、三つの具体策が必要です。まず、被害者の声を十分に反映し、罪罰の均衡を保つこと。被害者参加制度を充実させ、心理的支援を強化することで、司法への信頼が向上します。次に、科学的根拠に基づく再犯防止策の強化が必要です。認知行動療法など、再犯リスクを低減させ、出所後も社会に再統合できるプログラムを実施すべきです。さらに、司法の透明性の向上も不可欠です。市民へ刑罰の基準や判断を理解させ、「納得感」を高めることで、制度への信頼が改善されます。刑罰は「復讐」ではなく、「社会の安全と被害者の尊厳の確保」にあります。感情に流されず、エビデンスに基づいた政策を求めることこそ、社会を守る健全なアプローチです。厳罰化だけに頼らず、社会の一員としての責任を果たすことが必要です。

ネットからのコメント

1、犯罪を犯した人の再犯率が高い。刑務所を出た人の５０％が再犯を起こしています。

社会の受け入れが難しいのでしょうが、これだけ再犯率が高いという事は、社会の責任とは言えないと思います。服役者の犯罪に対する意識が低いのが原因だと思います。社会への責任転嫁でなく、自身が社会復帰が困難でもそれに立ち向かう精神的強さも必要でしょう。司法の目的が「社会の安全と被害者の尊厳の確保」とのことらしいが、被害者は実際は泣き寝入りに近い状態に置かれる場合が多いのは、被害者保護より加害者保護の姿勢の方が強いのでは？と感じる国民の方が多いと思う。悪質な場合でも初犯の場合は執行猶予付きがほとんどであり、被害者に苦痛を与えることになりかねない判例が多いのが実情だと思う。加害者に対する厳罰化は絶対に必要だと思います。

2、最高の再犯防止は刑務所から出さないことです。人格が完成した成人に教育刑で教育するのは、再犯率の高さが示すように限界があります。残念ながら常人より低いハードルで犯罪を再び犯すというのが現実だと思います。特に、性犯罪は、性衝動が抑えられない、あるいは歪んだ性衝動が強すぎるという、先天的・後天的に強固に形成されたものなので、医学的治療などをしないと再犯防止は厳しいと思います。

3、日本の刑事・民事司法には、量刑や賠償額が社会感覚とかけ離れているのではと思っている。刑事事件では、薬物使用や所持には異常なまでに厳罰が科される。依存症は本来治療的アプローチが必要であるのに、再発時の刑事罰、収監は再犯防止や社会復帰を妨げかねない。また賭博についても、単なるプレーヤーへの処罰が、反社会的勢力との結びつきという理由を過度に評価し処罰が重すぎる。逆に、民事領域で感覚の乖離は深刻で、被害者に一生のトラウマを残すような性犯罪であっても慰謝料は数百万円程度と低水準にとどまり、被害の重さを反映していないと思う。これでは訴え損になるので泣き寝入りだ。こうした理不尽さは、法制度が社会の正義感覚から乖離していることを示しており、量刑や損害賠償の相場を見直し、実際の被害感情や社会的影響に即した改革を期待している。

4、以前ここの記事で、スイスかイタリアの速度違反の罰金が、年収と超過速度だかで計算されると言うのを見た気がする。速度違反はどこの国でもあろうが、速度の出る車＝高価＝年収高い人だからそれなりの責任ね！と言う考えは面白いと思った。

年収や車両価格を反映させると、高価格車を鼻にかける人には良い抑止力になるかも。