東北大学や北海道大学などの地方旧帝国大学で首都圏出身者が増え、特に東北大学では2019年以降、関東出身者が東北出身者を上回る状況が定着しています。2025年には北海道大学でも同様の傾向が予測されており、この現象は京大や九州大、大阪大、名古屋大にも波及しつつあります。背景には地元の学力低下や人口減少、首都圏の進学率向上があるとされています。
また、関東圏の大学の定員削減も影響しており、関東出身者が地方の旧帝国大学を進学先として選ぶ傾向が強まっています。さらに、地方大学が首都圏の学生に「進学疎開」の場として選ばれることが増えていますが、大学自身がその存在意義を再定義する局面に来ている可能性も指摘されています。

地方旧帝国大学における関東出身者の増加は、単に地域間の流入出の問題を超えて、日本の高等教育の在り方に対する深刻な問いを突きつけています。かつて地元のエリート養成機関としての役割を果たしていたこれらの大学が、「首都圏の受験戦争から逃れる場」として機能し始めている現状は、制度の欠陥を突いていると言えるでしょう。地域の学力低下と人口減少、都市部の大学の定員厳格化が背後にあるこの問題は、日本全体の教育政策の見直しが必要であることを示しています。
まず、地域の教育機関は地元の学力向上に努め、進路情報の充実を図ることが求められます。具体的には、地元学生向けの特別選抜制度やリーダー育成プログラムの導入が考えられます。次に、政府と大学は提携して、地方大学進学者に対する奨学金制度を充実させ、経済的なハードルを下げるべきです。さらに、地方大学が地域経済と連携し、学生が卒業後も地元での就職を自然に選択できるような仕組みを構築することが必要です。
現状では、地元の優秀層が大都市圏へ流出し、地方大学が実質的に首都圏の予備校化しているという異常事態に陥っています。このような流れを止めるためには、地元を重視した大学経営や国の教育政策の抜本的な見直しが急務であり、その価値観を再構築する必要があります。
ネットからのコメント
1、現時点で人口の3割以上が関東圏にいる状況です。国際卓越大学に指定された東北大学に多くの東北以外の学生が来るのはむしろ良いことかと思います。大切なことは、国際卓越大学までになった大学は就職予備校にさせず、しっかりとした教養と知識を身に着けさせる方向にすべきかと、そのために留年が多くてもやむを得なしくらいでもいいのでは。
東北大学に関してはそのくらいの気概で発展してほしい。
2、趣旨が全くわからないです。殆どが自宅でママのお弁当を持って通う東京の私学の方がよほど大問題。少子化で国内市場は縮小しグローバル化の時代です。一人で身の回りの世話が出来る自立性は学生時代の1人暮らしで培われます。海外赴任の辞令を出したら「ママが反対するから行けません」じゃ会社潰れますよ。また旧帝大は国家が有能な人材を育成する機関です。一般入試で優秀な人材を選考した結果、人口が多い地域の優秀な学生が入学するのは国が望むところです。記事は旧帝大の存立意義をはき違えています。
3、東京の一極集中が進んでるので、当たり前に18歳人口も東京や首都圏は増えてる。行き場を失くした受験生が新幹線で1時間半の大学に行くのは自然な流れでしょう。むしろ首都圏の学生からも選ばれる大学だと喜ばしいんじゃないかな。
4、>秋田県は全国学力・学習状況調査においてトップクラスの常連だが、>大学進学率・過去10年間の上昇幅ともにワースト10という状況だ。あのテストで求められる学力と大学受験で試される学力は全く違います。
それと秋田県の状況は知らないのですが、全国学力テストで好成績をとらせたいために学校ぐるみあるいは下手したら県単位でテスト対策をしているところもあるとか。どんなきっかけであれ生徒に勉強させることはいいことだと思いますが、こういった背景もある以上、あのテストで上位の成績であることを根拠に学力が高いと判断するのはちょっと。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/632228c9b537f6cb7bb1a8fd2bf3016ecf5c92c3,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]