2025年11月26日、香港の大埔地区にある公営住宅「宏福苑」で発生した火災は、少なくとも160人の命を奪い、香港史上最悪の火災の一つとされています。この緊急事態の中、民間ボランティアが迅速に救援活動を展開しましたが、香港政府および中国当局が市民の反政府活動を警戒し、ボランティア活動に圧力をかけ、活動を制限しました。特に救援物資配布ステーションやレノン・ウォールと呼ばれる追悼メッセージの掲示が問題視され、公安当局は反政府的な行為として取り締まりを強化。

12月7日に予定されていた立法会選挙への影響も考慮し、活動は速やかに封じ込められました。市民は政府の対応に不満を抱いており、災害の政治化が複雑な状況を生んでいます。

香港の火災災害支援を巡る市民と政府の対立は、制度の欠陥とその背景が明らかになっています。市民の善意による支援活動が政府の抑圧により妨げられる現状は異常です。政府は政治的利害による決定を行い、市民の意見を顧みない姿勢を改めるべきです。

問題の根本は、政治的思惑が優先されることで、市民の日常的な安全保障が犠牲になっていることです。特に、災害時の市民自発的活動は、彼らの生存と連帯を支える重要な要素であり、その制限は根本的な自由への侵害です。

解決策として、第一に、市民のボランティア活動を尊重し、それを支援する制度の確立が求められます。

第二に、政府は独立した調査機関を設立し、火災の原因究明と責任の所在を明確にする必要があります。第三に、透明性のある防災基準の改定とその遵守を義務づけることで、同様の災害を未然に防ぐことができます。

市民の支援活動が政治的恐怖によって萎縮することなく、むしろ社会の強靭な基盤として発展することが必要です。香港政府には、人民の力を恐れずに、その利益を最大化する道を選ぶ責任があります。これは、民主的な社会に必要不可欠な価値の再確認であり、社会の健全な発展に繋がるはずです。

ネットからのコメント

1、昨日ニュースで見たが、中国で突然ビルの壁縦一面に「中国共産党がなくならなければ中国は生まれ変われない」という主旨の文字が浮かび上がる出来事があった。向かい側のビルからプロジェクションマッピングで文字を投影したものだという。当然これをやった人は身が危ないよねと心配していたら、張本人はすでに家族とイギリスに渡り、イギリスから遠隔操作をしたのだそう。でもいくら中国国外に逃れていても中国警察は世界中にいるから気をつけてほしい。無事を祈ります。

2、メディアでも「中国の市民の声は」といったフレーズでの伝え方は珍しくないが、中国共産党は自発的な意志をもって社会や行政に働きかけたり行動を起こす人民という意味合いでの「市民」の存在を認めないのだということが今回の件でも改めてわかった。そういう市民が存在し得ない国に対し「政治と経済(あるいは民間交流とか一般国民)は別」といっても然程期待できないのを念頭においてつきあっていく必要があると思う。

3、香港の悲劇は、習近平体制を頂点とする中国共産党の権力維持に、香港人が否応なく付き合わされている点にある。災害時に人を助けたいという最も素朴で人間的な善意すら、反政府行動の芽として封じ込める姿勢は、もはや統治ではなく恐怖による管理でしかない。確かに香港人は被害者である。しかし同時に、変革を起こさず体制を温存してきた中国社会の国民性も、この状況を支えている現実から目を背けてはならない。世界の民主主義国は、内戦や弾圧、分断といった大きな試練を自国民が引き受け、代償を払って自由を獲得してきた。それは日本も同じである。自由は与えられるものではなく、奪い取る覚悟の有無が国の将来を分ける。

香港の現状は、その冷酷な事実を突きつけている。

4、香港が中国に返還された時点で香港の民主は無くなったと思います、何故なら中国政府が一国二制度を守る事は絶対に無いと思っていたからです。ボランティア活動そのものが家事の管理者責任などの不平不満が政府へ向く事を恐れて制圧している状況でしょうか。香港人にとっては耐え難いでしょう。