人工知能技術の進化がもたらした故人のデジタル再現が、賛否両論を巻き起こしています。今年3月に80歳で死去したタレント・みのもんたさんが、AI技術によって2025年1月1日放送予定のフジテレビ系クイズ番組「クイズ＄ミリオネア」に登場することが発表され、話題となっています。この技術は故人を映像で再現する能力を持ち、個人の喪失に悩む人々にとって新しい選択肢を提供する側面もありますが、同時に法的・倫理的課題など複雑な問題を提起しています。

故人がAIによって「復活」することに関して、まだ社会全体での受容が乏しく、抵抗感が根強い状況です。

AIによる故人の復活技術は、その進化の速さに伴う倫理的および社会的問題を無視できません。便利さを提供すると同時に、デジタル化された故人が修正されることで、本来持っていた人間性が失われる可能性があります。また、遺族の感情が軽んじられる危険性も孕んでいます。本質的な問題は、技術の持つ社会的影響力を正しく理解し、適切に管理する枠組みが不足している点です。この点を改善するために、まずは法的基盤を強化し、倫理基準を設定することが重要です。さらに、社会全体で慎重な議論を行い、技術の適用範囲を明確にする必要があります。日本の伝統的な価値観が問われる中、この問題に対する迅速かつ適切な対応が必須です。デジタル進化がもたらす新たな現実と向き合うことで、より良い未来を築くことができるのです。

ネットからのコメント

1、会えないひとに再会できるのは嬉しいけれど、AIは作り物なので、どんなに完成度が高くても本人と思うことはできませんけれど、人間は二次元イラストやフィギュアなどの非生物に感情移入できる生き物なので、AIを本人と思い込めるひともいるような気がします故人への不敬とか冒涜よりも、アバターを本人と思い込めるひとが現実から心を乖離してしまうことの方が社会とってリスクのように感じます

2、そもそも生成AIによる動画がフェイクと見破りにくいクオリティになっていますから、故人をAIで復活させた動画が残り、何年も経過して後の人が見た時に、それがリアルなのか故人AIなのか判断できる人がいなくなる可能性は無いでしょうか。フェイクの場合は再生回数を稼いだり、人を騙す意図で使用され、故人AIの動画は3DCGで作られていたり、故人の言葉を元にするといった、しっかりした情報源と丁寧さで作られるという違いはありますが、本物ではないという意味ではフェイクと同様です。

3、言い方が適切でないことは重々承知なのだが、画面の向こうで故人が意図していない発言をされるのは、感情や気持ちがなくて、正直気持ち悪い。この部分が写真や映像とは明確に違う部分だと思う。「AIの技術に頼って故人が動いている姿に感動する」こういうことにすがってしまうのは理解できないわけでもない。だからこそ、必要としている人だけに公開すべき施策であって、不特定多数の人の目につくような、公の場にだすものではないと思いますね。

4、３年前に亡くなった母の元気な頃の動画はスマホにたくさんあるけど30年以上前に亡くなった父の動画はまだ携帯も持ってなかったし、全くないなので写真から父の動画ができるならやってみたい気もするでもどうなのかな？生前の自分の記憶にある父と仕草とか違う父になる気がして怖くてできない53歳の今は孫や孫と一緒の子供の動画をたくさん撮るけど御両親が健在の方は後悔しないように元気な姿も残しておくのをオススメします