再審制度の見直しを議論する法制審議会の部会が法務省で開催され、制度改正に向けた資料が提示された。再審請求審で開示された証拠を目的外で使用することを禁止する規定が含まれた。違反者には1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科される可能性がある。この規定に対して日弁連は、無罪に繋がる可能性のある証拠の周知が妨害されることを懸念し強く反発。
また、再審請求のスクリーニング規定も提案され、証拠開示前に請求が棄却される恐れも指摘されている。

この法改正案に対する日弁連の反発は、公正な司法を守るという重要な警告である。再審制度の目的は冤罪を正し、真実を追求することにある。しかし、証拠の目的外使用を禁止する新たな規定は、この使命を妨げかねない。再審請求では、報道や支援者の活動が無罪判決を得る上での鍵となることがある。これを制限することは、真実の発見を阻害する可能性がある。まず、証拠開示に関する規定をより透明性のあるものにすることが必要だ。また、証拠の目的外使用禁止の適用範囲を明確にし、公益に寄与する使用を許容すべきだ。そして、再審請求のスクリーニング規定の導入には慎重であるべきだ。冤罪による悲劇を繰り返さないためにも、再審制度は真実追求のために柔軟さを持つべきである。
我々は、制度改正が冤罪防止のために真に公正な形で行われることを望む。
ネットからのコメント
1、再審制度の見直しだけを切り出して議論するのは不十分だと思う。冤罪の背景には、密室での長時間取り調べや自白偏重、検察による自白の強要が指摘されてきた。再審請求審で開示された証拠の使用を縛る前に、取り調べの全面可視化や、自白強要を明確に禁止・検証できる制度整備を並行して議論すべきではないか。冤罪を「救済」する制度と同時に、「生まない」ための改革が欠かせない。
2、法律を時代に合わせて見直すのは大事ですが、袴田さんのケースのように、支援者や報道が証拠を検証して再審無罪につながった例もあるわけで、非公開が原則の再審請求審では、外からのチェックが働かないと、検察側に有利な密室になりかねません。法廷の外からの目が届きにくくなることで、非公開の密室で手続きが進んでしまう危険性がある。冤罪を晴らすという制度本来の目的を見失わないでほしい。
3、捜査機関が「初めから捜査で得た資料を全て弁護側に開示すれば済む」話ではないのか、と素人は思ってしまいます。
既に全ての証拠を弁護側に開示している国もあります。検察・警察は捜査する権限(強制力)を持ち、組織(大勢)で捜査します。それで証拠資料を得るわけですが、その源泉は税金です。現状の刑事裁判は、捜査機関と弁護士、「組織と個人」という構図で非常に弁護側に不利だと感じます。圧倒的なマンパワーと権力がある捜査機関に、個人の資産・行動で対抗する構図に不公平さを感じます。
4、アメリカでは、冤罪事件が多発したので、捜査機関側が証拠をすべて開示することになりました。日本では捜査機関側には証拠をすべて開示する義務がなく、裁判は被告側に不公平だと思います。冤罪事件で証拠の開示が制限されると、被告側にさらに不利になると思います。これでは、冤罪をさらに増やすことになると思います。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/2ca5594dccf26a9cb9e187ae12f96c293d1e78bd,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]