名古屋城の木造天守復元計画は、バリアフリー対策をめぐる議論により進捗が滞っています。計画では2022年までに完成予定でしたが、障害者が天守アクセスにエレベーターの設置を求める一方で、それに反対する意見も出され、論争が巻き起こりました。結果として、文化庁への整備計画提出が延期され、復元事業は停止状態です。議論再開後は市が関係団体と協議し、構造的な課題を検証中で、バリアフリーと史実復元の両立が求められています。

この議論は、価値ある文化財復元と、時代が求めるバリアフリーとの間に立ちふさがる課題を象徴するものです。復元対象である名古屋城天守は、特別な歴史的価値を有する建築物である以上、その精密な復元が可能という希少性を重視すべきです。しかし、バリアフリーの必要性も十分に理解します。従って、問題を解決するためには双方の立場に基づいた具体的なアクションが必要です。まず、一部箇所に限りエレベーターを設置する技術可能性の調査が急務と考えます。次に、障害者だけでなく全ての人が均等に楽しまれるようなアクセス方法を探る必要があります。そして全関係者で根本課題を再認識し、意見を共有し、合意形成を目指すべきです。歴史遺産の保存と現代の価値観との融合を目指すこの試みは、大いに注目されるべき社会問題です。扱い方次第で文化遺産の復元計画は参考多い成功事例となるでしょう。

名古屋市の正しい取り組みが広く浸透し、社会全体のステップアップへの貢献を期待します。

ネットからのコメント

1、サクラダファミリアにも、塔の先端にまで階段がありそこまで観光客が行くことができますがそこにまでEVを作れなんて誰も言いませんよ復元って知っていますか？江戸時代と同じに作り直すことに価値があるのです現代に沿ってEVを設置するのであれば、ただの再現でしかないのですよどうしても、障害がある方が天守閣に登りたいのなら江戸時代当時と同じで、他の方に背負って貰うしかありませんそれが歴史を感じるための復元です

2、復元なら近代的なエレベーターは要らないよね忠実に再現しないと意味がない身障者や高齢者には大井川のように担いで登ってもらうのが良いだろう。人力車もそうだがその方が観光地らしい法隆寺に現代価値観でエレベーターつけたり耐震鉄骨補強したりしたら価値はなくなる

3、そう、本来あるべき姿に戻すのが復元なのでエレベーターを付けるなんて考えはないだろう。はたして松本城や熊本城はあるのか？もし今回、名古屋城にエレベーターなど付けることになるならそれはただの木造で作ったエレベーター付きの名古屋城風建物になる。

そうなったら再建事業自体、私は反対します。

4、記事の通りですね。本来城というものは観光名所ではなく敵から守るためのバリアー。バリアフリーという考え方とは完全に真逆の存在。遮るのが本質でありスルーするのであればわざわざ造る必要はない。復元というのは当時の技術をできる限り駆使して当時の姿を再現すること。階段も段差や角度を当時の状態で再現するという話だから、健常者でも天守まで登るのは一苦労だろう。障碍者だけのバリアーではない。それを理解できない時点で議論に参加する資格はないと思う。権利を振りかざすだけでは何も生むことはできない。