2023年8月10日、広陵高校（広島）が第107回全国高校野球選手権（甲子園）への出場を辞退しました。この決断は、1月に起きた部内暴力がSNSで告発され、大きな反響があったことを受けたものです。学校側は暴力事案に関して第三者委員会を設置し調査を行っている途中ですが、SNS上での誹謗中傷や爆破予告も発生し、生徒の安全が脅かされています。

浜田敬子氏はこの暴力事案を非常に重い問題と捉え、学校と高野連の対応に疑問を呈しています。この事件の背景には、勝利至上主義が横たわっており、教育の現場における暴力の根絶が求められています。

この事件は、教育現場における制度の欠陥と勝利至上主義の問題点を露呈しています。まず、学校側の対応の不備が明らかです。暴力事件の告発が行われたにもかかわらず、第三者委員会の設置が遅れた結果、大きな混乱を招きました。また、高野連は事前に把握すべき情報を見逃し、適切な対応が不足していたと考えられます。この状況を改善するためには、まず教育機関とスポーツ連盟の連携を強化し、迅速な情報共有を実現することが必要です。次に、暴力根絶に向けた包括的な教育プログラムの導入を進めるべきです。そして、第三者委員会の運営を独立した組織として確立し、公正な調査を確保することが重要です。

価値観の対比を見れば、教育現場が持つべきは競争ではなく、人間性を尊重する価値観であり、それを実現することで未来の世代に本当の教育を届けることができるはずです。

ネットからのコメント

1、勝利至上主義を生み出す事になっているテレビ放送やメディア側の問題でもある。たかが高校生のクラブ活動全国大会です。他のスポーツに比べ野球だけを取り上げるから勝利至上主義にもなるよ。優秀な指導者に来てもらうための裏金、多少の事には目を瞑らざるを得ない状況。社会全体で考えるべき問題ですよ。

2、学校側の初動が間違ったというのもあるかもしれないが、そもそも今回の件って、そういう事が起こる土壌があったのではないかという事が根本です。高校側は被害者づらしてますが、そもそもその高校の権力者の価値観があり、それを教育と称して高校生に植えつけたのがが一番の問題だと思います。

3、勝利至上主義と、それに拍車をかける商業主義も一因ではないか。教育機関である学校が、勝利や甲子園出場を絶対視することで、不祥事の隠蔽や人権を無視した指導が横行する土壌が生まれる。

また、大会が多くのスポンサーやメディアに支えられ、大きなビジネスとなっている現状も無関係でなく、そんな商業主義は強豪校をブランド化させ、選手を「商品」として消費する風潮を生み出し、その結果、選手の安全よりも利益や美談の創出が優先されるという本末転倒な状況が生まれている。高校野球の本来の教育的意義を取り戻すには、この悪循環を断ち切り、選手の健全な成長を最優先にする抜本的改革が不可欠と思う。

4、学校側に、自浄作用は無い。コメントを見れば分かるが、加害者側のヒアリングだけで事実認定している。最初から結論ありきなのが良く分かる。被害者へのヒアリングは、何故か実施しない。実施すれば、都合の悪い事が有るとしか思えない。自浄作用が無いとしたら、文部科学省や教育委員会等による公益通報者保護制度の様な、被害者を救済出来る仕組み作りが必要なのではないか。権力者により、力を持たない生徒の人権が侵害されている。高野連に年間1,000件以上の、不祥事が報告されていると言う。監督官庁等が動かなければならない事態だと思う。