大阪在住の女流棋士・福間香奈さん（33）は、史上最多の67タイトルを獲得したトップ棋士であり、現在も6つのタイトルを保持しています。彼女は将棋と子育ての両立を望む一方で、日本将棋連盟が今年4月に定めた規定により、妊娠時のタイトル戦参加に制限がかかることに困惑しています。この規定により、出産予定日から産前6週間と産後8週間に重なるタイトル戦には出場できず、対局者の変更が行われます。

この状況に対し、福間さんは柔軟な日程変更を求めて意見書を提出していますが、規定は反映されていません。弁護士はこの規定が「マタニティハラスメント」を引き起こす可能性を指摘しており、福間さんは社会への訴えを強化することを決意しています。

現在の日本将棋連盟の規定は、女流棋士が安心して出産と対局の両方を望むことを実質的に妨げています。根本的には、女性の意思を無視し、画一的なルールを適用することによる不当な負担があります。福間香奈さんの主張は、柔軟な日程変更や不戦敗回避の制度整備を求めており、現行の規定では彼女だけでなく他の女流棋士にも影響を及ぼす可能性があるため、制度は女性の現状に適合しているとは言えません。解決策として、（1）女流棋士の産後復帰の支援制度導入、（2）タイトル戦の日程の柔軟化と個別対応、（3）休業中のタイトル保持者への救済措置の強化が必要です。

これらを通じて初めて、安心して子どもを持ち、将棋にも専念できる環境が整います。女性の意思を尊重しない現在の規定は、未来の棋士たちが安心して夢を追いかける土壌を奪っているという痛烈な現実があるのです。

ネットからのコメント

1、このニュース、リアルタイムで出張先から見ていました。理屈はわかるし、女流の中の話だから棋士間の理解は得られると思います。ただ、今はホルダー側の話ですが、挑戦者側が妊娠されている場合も日程を変えるのでしょうか。また、「私、育休取ります」といって年単位で休む希望者が今後出るかもしれません。そんなとき、スポンサーは離れていくでしょうね。ビジネスですから、時期が読めないとなると、相当利益度外視の覚悟がいりますし、色んな人を振り回すことになるので難しい問題ですね

2、棋士やスポーツ選手などは個人事業主ですからね。私も個人事業主なので気持ちはよくわかりますが、妊娠出産の時は、仕事と収入が完全にストップするか、休まないかのどちらか。当然取引先全てにスケジュールをずらしてもらったり、仕事に待っていてもらうことはできません。

他の個人競技などでも、妊娠出産で試合日程をずらすという前例はないし周りへの影響が大き過ぎて正直無理があるかと。2人同時に妊婦がいたらめちゃくちゃです。ただ、例えばテニス選手が出産で休んだ場合に特別ランキング制度によって復帰後も大きな大会に出られる権利があるように、休んでもある一定階級が保たれる制度はあっても良いようには思う。あと記事中で弁護士がいっているように、産前産後の何週間かは「必ず休まなければいけない」規定は改善されるべき。それこそ個人事業主なんだから、医師の意見と妊婦自身の意思をもって対局するかしないかは決められるべきです。

3、女子プロゴルファー達は、自身がメジャー大会を制したいと強く望んでも、妊娠が原因の体調不良を理由に自宅の近くのコースに変更してくれる訳でも、大会日程を変更してくれる訳でもない。タイトル戦は、スポンサーが賞金を提供する事で成りなっている。対局会場のホテルや旅館の部屋を何室もおさえ、スポンサー企業の重役も対局日程に合わせてスケジュールを組む。挑戦者に限らずほかの女流棋士もタイトルホルダーになりたいはず。

「私、出産したいから予選日程を半年ずらして下さい…」という人が複数いたら、誰かを優先しないと対局は成立しない。やはり予定対局日に合わせるしかない。タイトルホルダーがいちばん偉い…という理屈で、タイトルホルダーが対局日程を決める権限を持ち、「文句あるなら私を負かせばいい」というのは構造的には賛成だが、それを認めてくれるスポンサーなんてあるのだろうか。

4、産休延期を認めると、全棋戦のスケジュール、ひいては全女流棋士のスケジュールに影響してくる事も考えられるので、これは女流棋士会でどうするかしっかり話し合って答えを出したうえで、将棋連盟と交渉するしかないかな。