事件概要：1980年代から1990年代初頭にかけて、沖縄水産高校は甲子園での活躍と同時に、厳しい上下関係と暴力的な寮生活でも知られていた。特に1985年から87年にかけて、エース上原晃の登場で沖縄水産は注目を集める一方、寮では上級生の暴力が蔓延していた。下級生は暴力や恫喝に晒され、寮生活は「監獄」と形容された。例えば、1年生は正座をさせられ、刃物で脅されることが日常的だった。

また、試合前に「殺すぞ」といった脅しが飛び交い、過酷な環境での部活動が常態化していた。沖縄水産はこの厳しい訓練を経て、甲子園での活躍を続けるものの、暴力や精神的圧力が問題視されていた。

コメント：沖縄水産の甲子園での栄光に隠れた陰の部分は、言語化しきれないほど深刻だ。若者たちが身を削り、最終的には暴力と圧力に屈しながら成果を上げるという現実には疑問を呈さざるを得ない。このような環境は、スポーツの本来の目的を無視した暴力的な体質を生む原因となる。制度そのものが選手を競争に駆り立てるあまり、成績以外の人間としての尊厳や思いやりを育むことに失敗している。このような環境下での教育は、決して美談として語られるべきではない。

このような問題を根本的に解決するには、まず指導者や学校側が暴力行為を全面的に排除する姿勢を貫かなければならない。

選手たちが自己を高めるためには、自由な発想と健全な競争の場が必要だ。また、教育現場全体で暴力や恫喝を許さない文化を根付かせる必要がある。具体的には、選手個々の権利を尊重し、正当な指導方法を徹底させることが必須だ。沖縄水産の栄光を称えると同時に、その陰で何が犠牲になっていたのかをしっかりと反省し、未来へと繋がる正しい道を築いていくべきである。

ネットからのコメント

1、このような問題は氷山の一角ではないのかなと思います。とても人間育成の手段のひとつとは思えません。昔は「勝てばいい」という考えが横行し、部員や保護者はそれに従うというのが当たり前でした。それにより大好きなスポーツから離れる人もいました。決して看過されてはいけません。いまある高校野球部が問題視されています。とてもこの記事と無関係とは思えません。勝つ事も大事ですが、正しい立ち居振る舞いができるように指導するのが指導者の仕事ではないかと感じます。

2、私が高校生だった頃は幾らかマシだったが、今となってはたかがその学校、それも野球部という狭すぎる世界で殿様やってもしょーもないよなって思う。

人を従わせるのに暴力以外の術を知らないからであり、それは人間が本能的に持っている方法ではあるが、あまりにも原始的であり、他の方法があると教えられる大人が居なかった事や、それを許していた世間の風潮が良くなかった。今はバレたらすぐ拡散され、スマホで撮って証拠を押さえられてしまう世の中になったから、数自体は減ったものの、やっぱりまだ根強く残っているところもあるようですね…

3、野球部ではないですが、1980-1990年前半位まで高校の教師による体罰は普通にありました。体罰を受ければその分他生徒にもそれが当然と言う目で見るようになります。やってはダメな事を見分けさせるようにするのは親の教育もありますが、身近な教師に関しては教育と指導のやり方は大事だと思います

4、酷使で投手生命を絶たれたといえば、最初に思いつくのが沖縄水産の大野。グラウンド外では暴力、グラウンド内では酷使じゃ、球児達から見放されて没落するのも当然。今現在、名門ながら問題を抱えている学校も、臭いものに蓋をしている限り、同じ末路だろうね。