2023年4月、山形県小国町でクマ駆除中に誤射事故が発生した。地元猟友会のメンバーであるハンターが誤って同僚の足を撃ち、大けがを負わせた。町は公務災害と認定し、治療費を含む約1663万円を補償した。撃たれた男性はさらに3000万円の損害賠償を請求。町は誤射したハンターに補償費を求める裁判を起こしたが、過失の主張が対立している。

町や猟友会は事故防止策を強化し、国に対応ガイドラインの制定を希望している。

この事件は、制度の欠陥が際立つ典型的な事例だ。まず、猟友会のハンターが危険を伴う駆除活動に従事しながら僅かな報酬で十分な訓練を受けていないことが問題の根底にある。公務災害として補償する自治体の方針は理解できるが、一方でハンターへの過失の責任を問う提訴はその対応の矛盾を示す。明らかな解決策としては、まず第一に駆除作業の際にはより明確で万全な安全対策を実施するべきである。次に、国は猟友会と自治体が一丸となって駆除活動を行えるよう指針を定め、適切な保険制度を整備すべきだ。そして、猟友会への依存を減らし、専門的な鳥獣対策チームを組織して専門性を持った対応を可能にするべきだ。今回の件から明らかなのは、善意に依存した制度の危うさだ。

これを機に、より安全で持続可能な鳥獣対策を早急に考慮することが求められる。

ネットからのコメント

1、動物愛護団体からもクレームがあり、町からも訴えられるのであれば、この仕事から猟師さんは手を引くように思います。町として今こんなことをやっている場合ではないように思います。町は猟師さんを訴えるのではなく誤射につながらないよう策を練るとかして駆除を優先した方がいいと思います。

2、本当に重過失が有ったのならば警察は不起訴処分などにはしないで本人に対して何らかの起訴をしていると思う。重過失ってのはそれくらいの内容で無くてはなりませんからね。警察がそう言った事をしていないので有れば故意では無く不幸な事故扱いだから重過失は認められないと思うんだけどな。コレは責任転嫁で、それを指摘されて苦しい言い訳してるだけにしか感じないな。ただ、この問題の怖い事は仕方なく協力して何か有ったら責任を全部なすり付けます！と言った姿勢を見せた事だね。下手すると猟友会は今後協力出来ない。と言った判断になっても不思議じゃ無い。猟友会に任せるなら任せた責任が発生するのは当たり前のことだろうけど、役場にはそんな当たり前が理解できないんだろうね。

3、まずは、なんで今頃、と思うね。事故が起きたのは、2023年なんだろうに。山間部に入ってのクマ駆除というけれど、事故が起きた時警察はいなかったのかとか、役場の役人はいなかったのかとか、色んな疑問が出てくる。重過失の有無は、現場検証をきっちりとやり、事情聴取を丁寧に行っていれば、今ごろになって問題が表面化することもないだろう。そして、この事案は、現行の地方行政によるクマ駆除がいかに危ういものであるかを、暴露したものだ。クマ駆除をボランティアの民間の猟友会員に依存し、そこで事故が起きたならその損害賠償を猟友会員自身が行わなければならない、とは。行政は一切のリスクを負わず、猟友会員に丸投げしている、とは何たることかと。そして、ここまで問題が大ごとにならないと国は動き出さない、最近の日本は一体どうなってしまったのかと、尋ねてみたい。

4、重過失で係争中なのは理解できたが。それなら係争中の結論が出て、「重過失」が決定的になってから町側が提訴すれば良いのでは？確かに行政責任が生じるかも知れないが、結論が出てから動いて良いはず。

「重過失」が決まっていないのに提訴は拙速と思う。