事件概要
2023〜2024年の日本の輸入車市場において、アメリカ車(アメ車)の販売シェアは依然として低迷。人気のジープでさえ減少傾向にある。アメ車が売れない理由は、車両の大きさや燃費の悪さにとどまらず、高額な維持費、厳しいローン審査、左ハンドルへの抵抗、部品供給の遅さなど多岐にわたる。
特に日本の税制・制度設計が大排気量車に不利であることが明らかとなった。2025年6月の調査では、アメ車に「強い興味がある」と回答した人はわずか6%にとどまり、「選ばれる前提すら整っていない」現状が浮き彫りになった。
コメント
「売れないのは魅力がないから」「アメ車は努力不足」といった声が飛び交う中、その多くは事実に基づかない感情論に過ぎない。真の問題は、日本市場が構造的にアメ車を拒む設計になっている点にある。排気量に連動した高額な税制、不利なローン制度、左ハンドル仕様への規制対応の困難さ――これらは単なる好みの問題ではなく、制度そのものが選択肢を奪っている。
制度的欠陥を是正するには、①右ハンドル・小排気量車の本格導入、②購入ファイナンスの多様化(低金利・サブスク導入)、③アフターサポート体制の国内水準への引き上げが急務だ。さらにメディア露出やディーラー網の整備も「存在を知られる努力」として必要である。
「アメ車は選ばれない」のではなく、「選ぶ機会を奪われている」。この視点を欠いたまま責任をメーカーや文化に押しつけることは、制度的な不平等を見過ごす結果にしかならない。自由市場とは、多様な選択肢が公平に競える土台があってこそ成立する。その前提すら崩れている今、見直すべきは“消費者”ではなく“制度”である。
ネットからのコメント
1、「大きい車に不当な課税」⇒不当と決める根拠はなんですかね?都市部の土地がなく、道路も駐車場も狭い日本では、コンパクトな車の税金を下げ、場所を取る車の税金を上げて、なるべく小さな車の利用に誘導するのは、日本政府として合理的。税制が購買行動に影響を与えているのはそうだと思いますが、不当との評価には値しないと思います。また重量の重い車は、路面を痛めます。特に、軟弱な沖積平野に都市が形成されている日本では、影響が大きい。重量税もまた合理的と思います。
2、制度で言えばアメリカでの日本車にも同じこと言えるでしょ?それを現地に工場作って、アメリカ専用の車作ってという「企業努力」で売れてる訳だから企業努力が足りない、は感情論ではないでしょ感情論と言う方が感情論だと思うのだが
3、私達日本国民が米国製自動車を選択しないのか、理由はあります。燃費(渋滞が多い市街地で悪化)、右ハンドル仕様が選択できない(停車中のバスを追い越ししづらい)、故障頻度(マイートラブルが多い)、サイズ(外出先駐車場に駐車出来ない事がある)、ここをマーケティング戦略で改善しない限り消費者は選択しづらいです。
4、ほとんどのアメ車より高いメルセデスが輸入車メーカー別で一位なのはなぜでしょう?むしろ国産大衆車が世界一充実している日本においては、高価格帯に不利ではなく、高くても差別化しているものが売れているように思います。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/7e703e7e5fcb59e9da47ffc4333093be2d2763e0,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]