NHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」は最終回を迎え、視聴者の評価が分かれている。歴史評論家の香原斗志は、全体を通じて面白かったとしつつも、史実として確立した出来事を架空の設定で捻じ曲げた点について不満を表している。最終回では、歴史上ミステリーとされている写楽の正体が架空の「歌麿を中心とした制作チーム」として描かれた。
香原は、このドラマが歴史ドラマとしての枠を逸脱し、娯楽色を強めた結果、視聴者に誤解を与える危険性があると指摘している。特に、「べらぼう」は18世紀後半の歴史的な空気を濃厚に描いたが、後半にかけてはドラマとしての楽しさが重視され、史実との乖離が強調された。

歴史ドラマにおける史実とフィクションのバランスは、製作陣にとって常に悩ましい挑戦です。「べらぼう」は、その面で惜しい点が多々見受けられます。第一に、写楽の正体を「歌麿を中心としたチーム」としたことは、既に特定されている歴史的事実を無視しています。ドラマが史実に忠実であることは、視聴者が歴史を学び、理解を深めるために重要です。第二に、政治の描写についても、町人と政界が絡み合った展開を描くことで時代のダイナミズムを引き立たせたとはいえ、実際の歴史に即していない部分が観られました。
第三に、プロットの展開が娯楽に寄り過ぎたことで、大河ドラマと娯楽時代劇の境目が曖昧になり、視聴者に歴史的正確さを欠いた印象を与える要因となりました。
この問題に対処するためには、まず史実に基づく徹底的なリサーチを行い、事実に忠実な物語づくりを進めるべきです。また、フィクションを加える際には、その設定が時代背景と整合性が取れるようにし、視聴者に歴史を誤解させない配慮が求められます。さらに、歴史的事実とフィクションの境界を明確にするための工夫も必要です。
「べらぼう」が示した革新と挑戦は興味深いですが、歴史ドラマとしての信頼性が損なわれることで、視聴者は失望する結果となります。歴史を学び、楽しむことは共存可能であるはずです。このバランスを大河ドラマがいかに再構築するかが、今後の課題でしょう。
ネットからのコメント
1、「どうする」の築山殿構想が噴飯ものだったのは、戦くらい金がかるものがなくて、戦国大名同士の商取引なんて極普通だった戦国時代の実情を無視したもののだったから。その点「べらぼう」は斎藤十郎兵衛説でもなぜあんなに一度に大量の浮世絵がだせたか説明がつかず、また治済ってこれ以降何もしていないし、松平定信が浮世絵コレクターになったり文化擁護者になったりと、色んな事が説明ついてこれはこれでとても面白い。
「べらぼう」こそ歴史ファンだからこそ楽しめた大河だった。
2、司馬遼太郎氏の作品を「司馬史観」とか「史実と違う」とか批判するのと同じですね。司馬氏自身が「だってボクは歴史家やのうて、歴史小説家やからね」と語っていたように「竜馬がゆく」にしても「坂の上の雲」にしてもあくまで歴史を題材にした創作小説ですから。大河にしてもNHKは「史実に忠実に作りました」などとは言っておらず、この記事の筆者の個人的な感想はともかく批判されるようなことではないと思います。
3、それは個人の感想ですね…楽しめなかったのはあなたであって私は楽しめた一足先に4Kで最終回を見ましたが良い意味でいかにもドラマらしく大円団で良かったですよ…史料通りが事実でもないし、大河ドラマなんで歴史ドキュメンタリーではないのだから充分楽しめたので問題ありません過去の大河ドラマも史実通りであったかな?家臣団は作品によって重臣でも軍師でも登場しないとか良くあるし、他作品でモブキャラでも主人公なら大活躍する作品とか、他作品で悪人でも主人公になると善人にとその逆も…市井の人が大活躍する話もあったり…いくらでもツッコミどころ満載の作品も多いでしょうに…個人的SNSならまだしも、ネットニュースに個人の感想をわざわざ5選とか書いて記事にするのはどうかと思う…
4、反発される事は分かっているのでしょうが、写楽が近年の定説とは違う複数人説で描かれた事がよっぽど気に入らないのでしょうか。1位と2位だけを強く言いたいけど、他は仕方なく順位をつけたみたいに思えます。「3位までは難癖をつけているように思われるかもしれない、時代背景はどうする家康の時の様にケチのつけようがない」と、ケチや難癖をつけているとご自分で言っていますよね。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/b53530f6f80eaf1a2a2239c55d3b08db1ce43bc1,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]