人事院は8月7日、内閣と国会に2025年度の国家公務員の月給を前年より1万5014円（前年比3.62％）引き上げるよう勧告しました。ボーナスは4.65カ月分とし、本省で働く40歳室長の年収は初めて1000万円を超えることになります。人材獲得の競争が激化していることを背景に、今回の勧告は34年ぶりの大幅な引き上げです。比較対象も企業規模を50人以上から100人以上、さらに本省では東京23区の1000人以上の企業としました。

本省の大卒総合職の初任給は30万1200円、年収は494万2000円になる見込みです。手当も増額され、40歳室長の年収は1089万6000円、50歳課長は1447万3000円になります。人事院総裁はこの改定が優秀な人材確保と職員のモチベーション向上につながることを期待しています。

このニュースに焦点を当てる必要があるのは、社会全体における給与制度の透明性や公正さです。国家公務員の給与大幅引き上げが話題となる一方で、民間労働者や地方公務員への影響についても考慮が必要です。まず、このような公務員給与の急激な引き上げは、民間労働市場での賃金格差を増幅させる可能性があり、特に中小企業にとっては約40%もの引き上げが実現可能かどうか厳しい試練となるでしょう。また、地域格差の問題も忘れてはなりません。

都市部と地方での賃金ギャップがさらに拡大し、市町村レベルでの職員獲得が一層困難になります。これに対する解決策として、1つ目は地域手当の全般的な見直しを進めることで、地方への人材分散を促進すること。2つ目は中小企業への賃上げ支援策を充実させ、労働市場全体の格差を是正することです。公務員の給与体系をただ民間の大企業と均衡させるだけではなく、社会全体に及ぼす影響を慎重に考慮した政策が求められます。

ネットからのコメント

1、地方公務員です。給与引き上げは有難いことで勿論賛成ですが、職場を見渡すと碌な働きもせず民間だったら即解雇されるような職員が2割ほどいます。その人らも給与が上がることを考えると、なんとも複雑な気持ちになります。給与財源は税金です。もう少し公務員の処遇について、良くも悪くもメスを入れられるようになって欲しい。

2、給与を上げることに異議は無しですが、定年までの身分保障は絶対にしなくてもいいと思います任用から10年ごとぐらいで、再任するかどうかの考査の機会があっていいと思うそれと、平社員のままを希望する職員もいますが、現行制度では給与はそれなりに上がってしまうので、それは不要と思います

3、同じ国家公務員である国税（税務署含む）職員はさらに高くなって待遇良くなりますね。国税はなんと言っても行政職より割高な「税務職俸給表」が適用され、地域手当加算で公務員の中で抜群の高給になれるのが大きいので、その点をもっと世間にアピールすれば、志望者はもっと集まりますよ。地方公務員の税務職が税務を担当しても「行政職」の給与にしかなりませんが、国税は実際に従事しているのが内勤であろうがなんだろうが（調査や徴収など負荷がかかる仕事をしなくても）「税務職俸給表」の適用対象になって、極めて待遇とコスパが良いので、今の時代の保守的な若者に刺さると思います。世間に知られてないのかもしれませんが。勤務年数次第で税理士免除が付与される上に、上場大企業（最上位層除く）並みの年収が保証されていて、おいしい公務員だと思うので、保守的な若者向けに給与面を中心に待遇面で押していけば採用率は高まるのでは。

4、公務員の身分保障を見直すべき。不祥事や仕事をしない人達は免職出来るようにすべきだ。初任給増より、仕事の成果で給与を決めるべきではないか。

国家公務員の給与を上げると地方公務員も上がるが、地方の高給取りは公務員である。中小企業と格差が広がるばかり。非正規の公務員の待遇改善が必要なのに、非正規は置いてけぼり。