2023年10月10日の衆院予算委員会で、立憲民主党の今井雅人議員は高市総理の財政政策に対する危機感の不足を指摘しました。今井議員は、今後の長期金利の上昇と市場の不安定性の可能性を懸念し、財政の抑制的な運用を主張。一方、高市総理は、日本の成長を重視し、長期金利の不安定さよりも経済成長が重要と反論。これに対し、今井議員は海外投資家の買い控えが起きている現状を指摘し、高市総理のスタンスに驚きを表明しました。

この議論は、日本の財政政策と市場安定性とのバランスに関する考え方の違いを浮き彫りにしました。

今井議員が示した通り、日本は現在、財政運営において重大な岐路に立たされています。高市総理が成長を優先すると述べる一方で、投資家の信頼を欠き、金利のボラティリティが増す現象が市場に影響を及ぼしています。政府は財政先行型の政策を採用する一方で、その具体的なプランが不透明なのは問題です。投資家に対して明確な指針を示すことは不可欠です。第一に、長期的な財政計画を立案し透明性を確保すること。第二に、海外投資家の不安を和らげるため、規制や政策の安定化を図ること。第三に、市場からの信頼を得るため、金融政策の明確な指針を設定することが求められます。現状を打破し、健全な財政運営と成長を両立させるために、これらの改革は急務です。

経済の活性化と市場の安定化、相反するかのように見えるこの二つの命題をどう兼ね備えるか、政府の真価が問われています。

ネットからのコメント

1、成長はもちろん重要ですが、金融市場の安定はそれと同じくらいか、それ以上に国家運営の基盤です。金利が不安定になれば、成長どころか財政の持続性そのものが損なわれます。市場が政府の財政方針を見極められず、海外投資家が買い控えている状況で「成長が優先」という答弁は、危機管理として心もとない印象です。今井議員の指摘は、マーケットの現場感覚から見ても妥当だと思います。反面、高市総理の答弁は精神論的な部分が強い印象で、経済に関する議論としては合理性を欠いています。

2、バブル以降、サラリーマン経営者やそこを目指す社員が、リスクを負った新規事業をせずに衰退産業にしがみつき、投資してこなかった。業績が悪化したら政治家に政治献金して国家予算頼り。日本に新規事業がないというけど、バブル以前は何かとあった。要はやる気の問題。政治も同じ。既存のゾンビ企業への国家予算は不要。この先の国家間競争の時代に日本は何に投資すべきか。

成長させたい分野に力を入れないとね。特に企業献金もない新規のマーケットに。

3、＞それに対して高市総理は「私は日本が成長しなければ危ないと思っている。投資家の動きも投機的な動きというのは、さまざまな要因によって起こることだと思っている。今の高市内閣の補正予算、これが原因でずっとこれからその不安定な状況が続いていくとか、委員のおっしゃるように長期金利が上がり続けていくというようなことよりも、しっかりとこれから日本が成長していくんだ、と。どんなリスクにも強い国になっていく。そして、それによってこの債務残高対GDP比が緩やかに下がっていってる健全な姿になっている。そういう姿を見せていくことの方が大事だと思っている」と述べた。また、そんな事よりかよ！高市の何かを犠牲にして他を優先しようとする姿勢は非常に危険です。また円安まっしぐらを増長させるような事を言ってしまいました。

4、この立憲民主・今井議員と高市総理の論戦、今のところ、高市の成長戦略に酔っている有権者が多く、今井の財政抑制などに耳を貸す人は少ないだろう。

ただ、アベノミクスと同じく川上（大企業・富裕層）が潤えば、自然と川下（中産階級以下）も多少のおこぼれが行き、潤うという経済循環だけは、失敗だったと思える有権者であってほしい。高市の成長戦略が、やはり大企業・富裕層優先のものだと少しでも気付いたら、中道政党（立憲民主・公明）にシフトしてほしいものだ。