防衛省は、2026年度の当初予算概算要求において、過去最大となる約8兆8千億円を計上する方針で調整を進めています。この予算増額は、防衛力を抜本的に強化するための整備計画の4年目にあたり、無人機を活用した攻撃および偵察能力を向上させるための調達費が含まれています。政府は2027年度までの5年間で防衛費を計約43兆円とする方針を掲げており、27年度にはGDP比2%を目指しています。

これに向けて、無人アセット防衛能力の拡充を推進し、人的被害の低減を図る計画です。また、定員割れが続く自衛官の確保を目指し、処遇改善に関する経費も盛り込まれる予定です。

今回の予算要求にはさまざまな意図がありそうです。大規模な防衛費の増額は国家の安全を考える上で一見合理的に思えるものの、その背景にはいくつかの問題が潜んでいる可能性があります。まず、予算の規模が急激に増加する一方で、その主な焦点が無人機の活用にあることは、技術革新を重視する姿勢を示しますが、人材育成や外交の努力を軽視していないかの検討が必要です。さらに、防衛予算がGDP比2％に達するとき、他の公共支出への影響についても考慮する必要があります。教育や福祉など社会の基盤を支える分野にしわ寄せが来ないよう慎重な計画が求められます。

解決策として、第一に公平な情報公開と透明な予算配分の実現が重要です。防衛費の使途に対する国民の理解を深めることで支持基盤を固めることができます。第二に、外交努力の強化を進め、潜在的な紛争を未然に防ぐための国際協力の枠組みを築くことが大切です。最後に、無人機の活用による効率化だけでなく、人材の育成や技術者の確保にも力を注ぐことで軍事力全体の質を向上させることが必要でしょう。

価値観の対比として、一方で安全保障の強化が求められる状況がある中、他方でその費用が国民生活に与える影響にも目を向けるべきです。防衛力の増強が安全性を高める一方で社会的幸福に貢献する方法を模索することで、真の意味で強靭な国家を築くことができるのではないでしょうか。

ネットからのコメント

1、防衛省は日産自動車追浜工場が閉鎖されて、売りに出すようだったら、その土地を買収すべきと思います。立地が基地に隣接しているので拡張性が高いのと、場所柄外資に買われてしまうと防衛安全上の問題が出る。専守防衛とは、万が一のリスクを想定して、普段から準備する事と考えます。

この様な予算は直ぐにでも計上すべきと思います。装備で戦闘機が150億、イージス艦1300億とかに比べたら、購入価格などはたいした事は無いと思う。

2、兵器や装備の国産化を進めると、性能的な無駄は出るかもしれないが国内産業的にはもの凄い経済効果になる数年前の倍の予算（産業規模）なんだから安易に輸入に頼るのではなく、一時的な無駄や停滞があったとしても今後の国内産業のためには純国産化を大きく進めるべきだ

3、現在ドローンの開発に最も長けている国は中国である。世界シェアNo.1であり、安く性能のいい無人機をどんどん開発している。果たして日本の国防のために無人機を導入となった際に、どこの国の技術を活用するのであろうか。アメリカに依存するのではなく、今後数十年先を見据えた防衛力の確保のためにも、国内で純国産の技術開発に力を入れるべきではないだろうか。

4、日本の現状のGDP比における防衛費の1.8％という割合は世界平均と比べても低い。日本の将来の安全が確実に保障されていればそれでも構わないが、現実はそうではない。隣国の中国やロシアは着々と軍備を強化しているし、外交だけで彼らを軍縮させることは不可能だろう。

いざ有事が起こった時にアメリカだってどこまであてに出来るか分からない。結局、国防や国益の為には自助努力するしかない。そのためには精神論だけではどうにもならないので、然るべき備えの為に防衛費を増強するのは必要不可欠でしょう。