米国のキャロライン・レビット大統領報道官は11日、記者会見で中国軍機による航空自衛隊機へのレーダー照射問題に言及しました。この際、彼女は「日本は米国の重要な同盟国だ」と強調し、トランプ大統領も「日本の新首相と良好な関係を築いている」と言及しました。しかし、中国を直接批判するコメントはなく、レビット氏は米国が日本との同盟を維持しつつ、中国とも良好な協力関係を築くべきだと述べました。

この発言は、9日に米国務省が「中国の行動は地域の平和と安定に寄与しない」と批判した声明よりも、中国に融和的な姿勢が見られました。

米国の外交姿勢が揺れ動いています。日本が自国の安全保障を考え直す中で、中国の挑発行動に対し、レビット報道官の発言は異常なほど融和的であり、米国の一貫した対中姿勢が疑われます。この問題の本質は、安全保障の観点から中国の活動をスルーすることによって、アジアの平和と安定が脅かされるリスクを無視している点にあります。まず、米国は同盟国と協力して中国の軍事的行動に対する明確な基準を設定し、これに対抗する意志を示すべきです。次に、日本との情報共有を強化し、共同軍事演習を通じて実際の対応策を練るべきです。更に、外交の場を設けて、直接的な対話を通じて緊張を緩和する努力が必須です。

価値ある同盟関係を軽視すれば、結果的に地域の安全保障に重大な紛争をもたらし得るのです。

ネットからのコメント

1、トランプ政権の対中政策は押したり引いたりしながら米国の利益になる事を引き出そうとしているのでしょう。今のところ日本が強硬姿勢を貫く事で米国の利益になっている。高市さんはトランプさんと頻繁に電話会談を重ね日米で歩調を合わせ対中戦略に臨んで欲しいと思います。

2、アメリカが中国との関係を重視するのは理解できます。中国と仲良くしておけば国際秩序の安定に寄与でき、経済的なメリットも大きい。さらに、ロシアやインドや東南アジアのグローバルサウス、中東、南米、アフリカへの影響力も確保できます。いくら日本が同盟国とはいえ、アメリカにとっては日本より中国との関係を優先した方が得るものが多いという判断になるのは当然だと思います。

3、今回の記事は、明らかに“切り取り”に近い構成だと思う国務省はすでに「中国の行動は地域の平和と安定に寄与しない」と明確に批判しているのに、この記事はその部分をほぼ扱わず、あえて“ホワイトハウス側の柔らかい表現”だけを前面に配置している実際には、米国の基本姿勢は「日米同盟を軸にしつつ中国とは対話も行う」という従来路線で、中国側が宣伝している “G2で日本を外す” という物語(ナラティブ)とは真逆大統領報道官が表現をマイルドにするのは外交上の常套手段であり、これを“対中融和”だけに見せる記事構成は、読者に誤った印象を与えかねない今回の記事は、米国の全体像ではなく“切り取られた一部分”だけをクローズアップした典型例と考えるべきではないか

4、最近の報道を見ていると、恣意的な見せ方があまりに多く、偏りの強さを嫌でも思い知らされました。ここまで露骨だとは正直予想していませんでした。どこも似たような姿勢で、事実をそのまま伝える姿勢が弱いことが今回ではっきりしました。情報を受け取る側が自分で見極めるしかない、と痛感しています。